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高校生美ら産活動成果発表会~若い力が未来を拓く島へ


高校生の力 未来の力

  県立の専門高校として特産品開発や地域おこしに取り組んでいる中部農林・沖縄水産・宮古総合実業の3校の生徒が、民間の知識や技術を取り入れた実習の成果を披露する「高校生美ら産活動成果発表会~若い力が未来を拓く島へ」(主催・県教育委員会)が2月6日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。4グループがそれぞれの活動内容を紹介したほか、基調講演した沖縄物産コーディネーターの池村博隆さんの進行でパネルディスカッションに臨み、実習の魅力や苦労話を語った。タイムスビル1階のギャラリーでは試食会や商品販売もあり、大勢の来場者でにぎわった。

 

■基調講演 「ものづくりのタネ」

沖縄物産コーディネーター 池村博隆さん
好奇心と情熱持て

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 池村博隆さんは、二つの商品を例にあげながら、利用されていない資源の活用を訴えた。
 一つは、皮が厚くタネが多いことなどから敬遠されがちなカーブチーの香りを生かしたオーデコロン「URU(うる)」。商品開発したオキネシアの金城幸隆さんは、北里大学との共同研究で睡眠導入効果などがあることを突き止め、フランスで香水の調香や製造方法を学んだという。
 もう一つは、yu-iFACTORY(ユーイ・ファクトリー)のハブ革製品。繊細で緻密なハブの模様に魅了された幸地賢尚さんが、さばきやなめしの技術を身に付けて商品化にこぎ着けた。
 池村さんは「沖縄に優れた素材はいっぱいある。付加価値を付けてどんどん外に商品を出していけるような好奇心、情熱を持った人材になってほしい」と高校生らにエールを送った。

 

■パネルディスカッション

苦楽にじむ開発秘話

72_discussion パネルディスカッション=写真=では、池村博隆さんの進行の下、各グループから2人ずつ参加した生徒が実習の感想や地域への思いなどを熱っぽく語った。若者らしい飾らない言葉に、観客はどっとわいたり、真剣に耳を傾けたりしていた。

 宮古総実(生物生産科)の下地光輝さんは、「炎天下で何時間も実習するのは大変」と振り返りつつ、「サトウキビの成長を見ると報われる。苗の提供は要望が高いので、地域の声に応えられるよう頑張りたい」と笑顔で振り返った。

 同校(食と環境科)の狩俣忠柾さんは「研究に参加するようになって宮古島の現状を知ることができた。今はどう有機質肥料を普及させるか考えるようになった」と郷土愛をのぞかせた。
 衛生管理や安全管理の大切さを強調したのは沖水の豊川笑美梨さん。「最初は自分なりに手洗いしたつもりでも、菌がいっぱい残っていた。細かく指導してもらって良かった」と話した。
 中部農林の喜久山彩夏さんは「どの商品を推すかで意見のぶつかり合いもあった。雰囲気が壊れるかなと思ったけど、みんな全然気にしてなかった」と、ユーモアを交えながら白熱した商品開発の裏話を披露していた。

 

 

■活動報告

燻煙の魅力定着を
中部農林 食品科学科
喜久山彩夏さん、高嶺涼子さん

 

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 本年度から新たな燻煙(くんえん)機が導入され、これまで以上に充実した加工実習が可能になった。そこで専門家から製造技術やマーケティングについて学びながら、商品開発に挑戦した。
 実習では、ベーコンとソーセージの製造に取り組んだ。それを使い、「ゴロニアソーセージロール」と「Oh! 味噌厚切りベーコンナッツサンド」という商品を試作した。オクラや特製みそなど、もともと学校にあるシーズを利用している。テストマーケティングでは、単に「おいしいですか」で終わらせず、どういうところがおいしいと思うのか、具体的に聞いた。記入式のアンケートよりも対面式の方がより深くやりとりできると感じた。
 今回の2作品をどう商品化するかが今後の課題。ほかにも燻煙機を使った食肉加工品を開発し、「燻煙と言えば中農」と言われるくらい地元に定着させたい。

 

 

味や食感を安定化
沖縄水産 総合学科
豊川笑美梨さん

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 沖縄水産では、食品加工機械バンドソーを導入した。解体専門ののこぎりであり、マグロやカジキなど大きな冷凍魚でも切断解体できる。解体に1時間掛かっていた作業が数分でできるようになり、生産性が大幅に上がった。
 実習では、この機械の取り扱いをはじめ、オリジナル商品の改善策や衛生管理などについて、さまざまな専門家から学んだ。
 沖水には、オリジナル商品としてカジキの燻製(くんせい)と甘辛煮がある。しかし、どちらも味や食感が安定しないなどの難点があった。そこで下処理工程で水抜きをしてうまみを残したり、レシピを変更するなどの改善をした結果、味や食感が安定した。
 今後の課題としては(1)使われていない部位を利用して商品開発を試みる(2)漁協や地元販売施設と共同で製造販売を企画する(3)海洋技術センターの開発設備を利用して試作を重ね商品化する-などの取り組みを進めたい。

 

株出し管理機活用
宮古総実 生物生産科
松川未来さん、亀濱愛唯里さん

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 サトウキビは宮古島の基幹産業だ。しかしTPP問題や農家の高齢化など先行きは厳しい。そこで、今回導入された株出し管理機を使って農家支援ができないかと考えた。まず農家の現状を把握するためアンケートした。実業生に対する要望としては、農家の手伝いと苗の配布が最も多かった。
 株出し管理機では、収穫した後のサトウキビ畑で根切りや施肥をすることができる。根切りによる出芽も多く、苗としての供給に取り組むことになった。現在は今年3月の春植えの苗として配布する予定であり、順調に生育している。
 またハーベスター収穫が増える中で、幅の広い畝(うね)を使ってほかの作物を栽培する取り組みに挑戦した。その結果、じゃがいもの間作が可能なことが分かり、農家の収入アップにつながればと期待している。今後は苗供給や間作研究をどう継続していくかが課題になる。

 

 

日本そばに可能性
宮古総実 食と環境科

72_karimata善福友陽君 狩俣忠柾君

72_kawatamikoto 川田美琴さん 上原紫音さん

 宮古島は飲み水を地下水に依存している。しかし化学肥料由来の硝酸態窒素の濃度が危機的なレベルにまで高まっている。持続可能な農業を目指し、サトウキビの絞りかすであるバガスの炭化物などを使った有機質肥料を開発した。日本そばを栽培することで、硝酸態窒素が吸収されることも調査で分かった。日本そばを育て、サトウキビと輪作することで、地下水の保全と農業の活性化が図れる。
 そば粉を使った特製ちんすこうを3種類開発した。テストマーケティングしたところ、ハート形をしたそばの実を入れたちんすこうは「食感がよい」「適度な甘さ」といった意見がある一方で、「そばの味がしない」との指摘があったため、量を増やすなどの工夫をした。今後は地下水を保全するそばの存在をもっと知ってもらい、宮古島をPRしていきたい。

                         〈企画・製作 沖縄タイムス社広告局〉


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