君こそスターだワラビー (午)後編
君こそスターだワラビー (午)後編
「2014ワラビーまつりin那覇」も午後に突入。タイムスビル3階タイムスホールでは「琉球いろはかるた大会」がスタートした。午前中にはあわや行方不明か、と思われていたワラビーも無事、参戦を果たしている。
「お手やわらかにおねがいします!」
「ワラビーがんばれ」子どもたちから温かい言葉。
「いまはみんなライバル。口だし、手だし無ようです!」 手を出すゲームだぞワラビー。
「しまくとぅば」で読まれるため、読み札の発音と取り札の表記がずれることもある「琉球いろはがるた」。積極果敢に挑む子どもたち&ワラビーだが、お手つきも多発する。
そんな中、機動力に難ありのワラビーは、開始10分、一枚も取れずにいた。
拍手しながらも、背中に焦りがにじむワラビー。 見かねたいきものがかり・村井規儀がアドバイスを送る。
「ワラビー、どんなかるた名人でも、狙った札が読まれるよう、とにかく念じるというよ。とりあえずワラビーから一番近い、その『ね』が読まれるよう念じてみな。念で札を呼び込むんだ」
琉球いろはがるたの「ね」の読み札は「妬(にた)さ腹立ちゃ 怪我(きが)ぬ基(むとぅ)でむぬ 義理(じり)ゆ 思(う)み詰(ち)みてぃ 我肝(わちむ)責(しみ)り」。
意味は「憎んだり腹を立てたりすることはけがの原因になる。道理を見極め、自分の心がどうあればよいのか考えなさい」。
制限時間は残りわずか。ワラビーにとっては最後のチャンスになりそうだ。
(あいつ、『来い来い』念じてるのかな?)村井が耳をすませると、
だが、安い奇跡は起こった。人事部副部長、玉城淳が流ちょうに読んだ札は―
「やりました!」ほこらしげに札を掲げる。「ねんじてよかった!」
「ワラビーすごい!」「よかったねワラビー!」子どもたちから拍手が起こった。
その頃、タイムスビル一階エントランスでは―。
周囲にサトウキビの葉ずれのような「ざわわ」が広がる。
けげんな顔をする子、表情がこわばる子、
目線を合わせない子ー。
―ワラビーまつりに「小さな恐怖」リアルワラビーが襲来した。
そんなことはつゆ知らず、エスカレーターで階下へ移動するワラビー。2階へ向かう来場者と、ハイタッチを繰り返す。「ようこそ!」
「ワラビーの、なかまです!」思わず二度見するワラビー。「はじめてあった!」
かつて「ワラビーの ともだち いませんか」でGOOGLE検索したこともあったワラビー。人間とともに仕事をしていて、同じ種族の仲間を求める気持ちは強い。「ワラビーまつりだから、来てくれたのかな…」気がはやるワラビー。
しかし、リアルワラビーは姿を消してしまった。「どこに行ったんだろう…」
「ワラビー、いつも眠たそうだから白昼夢でも見たんじゃない」 どうでもよさそうな村井。
その時、1階エントランスを横切る影が。
ワラビーの声は届かず、リアルワラビーはそのまま戸外へ出てしまった。
「ワラビーじゃないワラビーはワラビーまつりのワラビーには会いたくないのかも…」
「どうでもいいけどややこしいな」 ついに「どうでもいい」言っちゃったよ村井。
ワラビーは次の出演スケジュール「ゆるキャラ集合」に合わせ、やむなくタイムスホール裏に移動した。(いまは、子どもたちにたのしんでもらうことが一ばん!)気持ちを立て直し、姿見をチェックする。
(とう場はこんなポーズでいいかな…)
「わっ!いたんですか村井せんぱい!」
廊下の先にリアルワラビーの姿を認めたワラビー。「まって!ワラビーとおしゃべりしよう!」
「…つかまっちゃったかー」観念した様子のリアルワラビー。
「はあ、はあ…ねえ、きみは…ワラビーとおんなじワラビーなの?」
「やっぱり!」
「…じゃなくて」。そこでおもむろにふところのチャックを開け、取りだしたのは名刺だ。
「えー!!」驚がくするワラビー。
「いや、ごめんねワラビー。DEEokinawaというサイトでリアルワラビーを見てさ。ワラビーまつりでやったら楽しいんじゃないかって思ったんだ」
自己顕示欲をなぜかワラビーで発現させた男 山盛 基(もとき)(30) 観光系大手企業勤務
山盛「自分の中に違うアイデンティティーが1個生まれて楽しかったです」
力が抜けたように、その場に座り込んでしまったワラビー。「ワラビーは、せっかく、なかまがいたと思ったんだ…」
「ほんとうにごめん。だってオラは人間だから」 ジェロニモかよ山盛。
ここでようやく、村井が追いついてきた。「ワラビー、僕は何となく気づいていたよ。このワラビーは『なりきり』だって。でも今は、なりきりだと割り切りなよ!そしてやりきりなよ!」
無駄に韻を踏んだしゃべり。だが、ワラビーの心にはぽっと火が灯る。「やりきりなよ…」
ワラビーは思い出した。きょう会場まで、ワラビーに会いに来てくれた子どもたちや、家族の笑顔を。そう、まだ「ワラビーまつり」は続行中なのだ。
「村井せんぱい、ワラビーはこのまつり、元きでやりきります!」
「よく言ったよワラビー。さあ、ゆるキャラ集合へ戻ろう!」
(いいもの見たなあ)リアルワラビーこと山盛も心を動かされたようだ。「よし、その意気だワラビー!」
山盛「なんかごめん!調子に乗った!」
…そんなこんなで、無事ゆるキャラ集合に間に合ったワラビー…とリアルワラビー。
「なりきりワラビー」記念撮影も無事終え、ワラビーには無事「やりきった感」が残ったのであった。
「みんなみんな、ワラビーのなかまだよ!きょうはありがとう!」
~ワラビーからお知らせ~
前後編に入らなかったエピソードを集めて、あと1回「ワラビーまつり」で更新します。ご期待ください!
~おことわり~
「リアルワラビー」はもともとDEEokinawaライター本田義統さまの「ネタ」です。
今回突然リアルワラビーで来場していただいた山盛さん、ブログスタッフともに本田さまをリスペクトしています!いつか面白いことをやりましょう!
とりあえず、、、長すぎりゅ!!!( ̄◇ ̄;)
りゅうちゃんありがとう!
村井せんぱいは「忍たいをやしなうのは大事だよワラビー」って言ってたよ。