ご先祖様をリスペクトだぜワラビー
ご先祖様をリスペクトだぜワラビー
村井 ワラビー、今回は久々のフリートークコーナー「ワラビーといきものがかり」だよ。
ワラビー じっ写じゃないんですね!
村井 「まんがはじめて物語」からの由緒ある手法だよ。気を抜くとワラビーのことを「モグタン」呼んじゃいそうだよ。
村井 まあそれはさておき。8日から10日まで、沖縄は旧盆だったね。お中元を持って、親せきの家をはしごした人も多かったんじゃないかな。
村井 あの世からお迎えした先祖の霊をごちそうや果物、お酒でもてなすんだ。
村井 そりゃコックリさんだよワラビー。ポックリだと地味に怖いよ。
ワラ じゃあエンジェルさん…
村井 どっちでもいいよ!ご先祖さまは実際には見えないけど、家族の心の中にお迎えするんだ。旧盆は先祖をうやまいながら、家族の結びつきも深める大切な伝統行事だよ。亡くなった家族の思い出話にも花が咲いたんじゃないかな。
ワラ ごちそうがいっぱい!…ご先ぞさまはサトウキビもかじるのかな?
村井 違うよ。サトウキビは「グーサンウージ」といって、帰ってきた先祖のつえの役割があるよ。「ウークイ(お送り)」と呼ばれる旧盆最終日には線香と、あの世のお金「ウチカビ」を燃やして、先祖に感謝して送り出すんだ。
村井 初日は「ウンケー(お迎え)」、2日目は「ナカヌヒー(中日)」と呼ぶよ。
村井 沖縄では休みを取る人も多いこの3が日、ワラビーは何をしていたの?
ワラ おしごともなかったので、ぼんやりしたり、ねむったりしてました!
村井 ワラビーの旧盆はさしあたり、初日が『トゥルバイ』、2日目が『ニーブイ』、最終日が『カーブイ』だなあ。
ワラ トゥルバイ、ニーブイ、カーブイかー!…ところで村井せんぱい、ワラビーには仏だんはないの?
村井 ワラビーにはないよ。ワラビーのご先祖様は…たぶんオーストラリアにいるだろう?
ワラ ワラビーもご先ぞさまをうやまいたいんだ!村井せんぱいの親せきの仏だんをうやまってもいい?
村井 うーん、それはどうだろう。だって、僕の先祖は、ワラビーの先祖じゃないからね。
ワラ でもだれでも、おじいちゃんのおじいちゃん、そのまたおじいちゃん…とさかのぼっていけば、ご先ぞさまは同じだってききました!
村井 うーん。確かに僕とワラビーの共通点といえば、おっぱいで子育てをする「ほ乳類」。その進化の過程をさかのぼっていけば先祖は同じ、と言えなくもないけど。でもワラビーはカンガルー科の「有袋類」だろう?有袋類は、ほ乳類の中でも、かなり早めに進化が枝分かれしたんだ。
ワラ いつごろなの?
村井 それこそ1億2000万年以上も前だと言われているよ。古い古いほ乳類から、まずはじめにワラビーへつながる「有袋類」と、僕らヒトが属する霊長類へと枝分かれしていく「真獣類」に分かれたんだ。
ワラ その、古い古いおっぱいを出す生きものが、ワラビーと村井せんぱいの同じご先ぞさまです!
村井 おっぱいの古さみたいな言い方すんなよ!…でも、確かにそうとも言えるね。ちなみに、いま発見されている最古のほ乳類が、約2億2500万年前に生息していたとされるアデロバシレウス。体長10センチ程度で、ネズミみたいな姿をしていたみたい。その頃は恐竜の全盛期だから、夜行性で、ひっそりと生きていたんじゃないかと想像されているよ。
※参考 夜行性のネズミ
ワラ じゃあ来年は、ワラビーと村井せんぱいでご先ぞさまをウンケーできますね!
村井 だって、仏壇ないじゃんワラビー!
~おまけのウチナーグチ補足です~
「トゥルバイ」…ぼーっとしている
「ニーブイ」…眠い。
※「カーブイ」は語呂を良くするため「ニーブイカーブイ」のように使います。
県外の方は最寄りのウチナーンチュにお問い合わせください。