なぜ野球だけ「球児」って言うんだろワラビー
なぜ野球だけ「球児」って言うんだろワラビー
夏休みは終わったが、夏はまだまだ終わらない。8月30、31の両日、沖縄タイムス浦添販売店会学童軟式野球育成大会が同市民球場などで行われ、市内16チームが熱い戦いを繰り広げた。
30日の開会式では、内間ベアーズの下地巧真君が元気よく選手宣誓。「一戦一戦、一生懸命にプレーします!」
今年で5回目を数える同大会。浦添市内のタイムス販売店主が運営や会場速報発行などでサポートする。今年は新人広報担当ワラビーも、ひたむきさが止まらない夏の球児たちへ、声援を送りにやってきた。「すごい、すごい!」
開会式が終わると、ワラビーにお呼びがかかった。「ワラビー、こっちこっち」
(甘いものでもあるのかな…?) 連行されているようにしかみえないぞワラビー。
「シマウマもようのおじさん、ワラビーはなにをすればいいの?」
「16チームと記念撮影するんだ。試合時間も迫ってるから、ちゃっちゃと動くんだよ」
「わかりました!」
ともあれ、好奇心旺盛(=注意散漫)なワラビーは落ち着きがない。
「どこのポジション?何るいコーチャー?」
「ワラビー、前を向かなきゃだめだよ」
「…トサカの向くほうへ、すすむのみです!」
ただ、仕事は仕事。記念撮影が始まれば、順調にフレームに納まっていくワラビー。
だが、気温33度のコンディションは、次第にワラビーの体力を奪っていくー。
あからさまに元気がなくなってきた「生ける羽毛布団」ワラビー。(あつい…ふかふかな体が…あついです!)
…ようやく撮影を終えたころには、ふらふらになってしまった。浦添市・下港川販売店の宮城朝彦店主に連れられ、涼しい所へ移動する。
「ワラビー、大丈夫か?」
「もはや目もうつろです!」
「そりゃもともとだろ…」
試合が始まった。グラウンド上では児童が全力プレーで観客を魅了。チームメートの大きな掛け声もこだまする。…てだこ球児の夏本番だ。
一方、ワラビーは球場外の日陰をうろうろしていた。 (…ハッ!この車は「タイムスワラビーGO!」です! でも、ワラビーはワラビーなのに、ワラビーGO!にのったことがない…)
「ワラビーGO!」は沖縄タイムスの多目的取材車。エイサーやハーレー、スポーツなどのイベントや集会、災害現場へ直接出向き、現地で速報を発行、配布する機能を持つ。
そのワラビーGO!の中では、折しも読者局販売部副部長・豊島達博(写真手前)と、上港川販売店の照屋恵一店主が、大会の会場速報を制作していた。
照屋店主が会場で撮った写真から、豊島が選りすぐって速報掲載分を決める。
「豊島さん、これで行きましょう」
あらかじめ書いておいた原稿に、「いま撮りたて」の写真を挿入したら速報の完成だ。
豊島がキーをたたく指の動きを止めた。「これでよし。プリンター動かします」
ちなみに、車内にはレーザープリンターを3台搭載。 発電機を電源とするエアコンもあり、この暑い季節でも快適な温度が保たれている。
そこで、すっとんきょうな声が車内に響いた。
「…すずしい!」
豊島と照屋店主が振り返ると、ドアからワラビーがのぞきこんでいる。
「ここだけ、サンエーの中みたいです!」
「…そうか、記念撮影頑張ったもんなワラビー。暑かっただろ?」と照屋店主。
「よかったら、豊島のおじさんの所においで」 一人称が「豊島のおじさん」なのもどうかと思うぞ豊島。
「いいの?やった!」喜ぶワラビー。
…ところが。
どうやら、頭か体が入り口につかえているようだ。
ワラビーの頭を、後ろから押す作戦のようだ。
「よいしょ!」
「…こらしょ!」
「いたい!いたいよ豊島せんぱい!」
ついにはワラビーGO!乗車をあきらめたワラビー。「ワラビーがのれないワラビーGO!なんて…」
見かねた照屋店主が、ワラビーに声を掛けた。「おいワラビー、これで涼めばいいよ」
「なんですか?」
「うちわだよ」
「うちわ!…あおいでみます!」うちわをパタパタと前後させるワラビー。
「目もとしかすずしくないけど…照や店主、ありがとう!」
この夏は、クールな目元で乗り切ろう。そう心に誓うワラビーなのであったー。
~おまけ~
会場速報はとっても好評でした。浦添の球児のみんな、県民の期待を背負うような選手になってね!暑さに負けず頑張って!
ーワラビーより