ホントのところ「シュール」ってなんだろねワラビー
ホントのところ「シュール」ってなんだろねワラビー
県内の書店員が今、一番読んでほしいオススメの本を選ぶ「第1回沖縄書店大賞」(主催・同賞実行委員会)が2日発表され、郷土書部門の大賞に大城さとしさんの「おばぁタイムス」(沖縄タイムス社刊)が選ばれた。
「おばぁタイムス」はタイムス社会面で連載中の人気4コママンガ。昨年5月に初めて単行本化された。「おばぁ」「おじぃ」ら個性的な登場人物が繰り広げるシュールな世界観が話題を呼び、県内ベストセラーになるほど話題を集めた。ちなみに第2弾発売中!のLINEスタンプも大人気だ。
4コママンガの構成の典型とされる「起承転結」の枠にはまらず、自由自在に読者を「笑い」へいざなう。独特の「間」や「余韻」が、「おばぁ中毒者」を続々と生み出しているのだ。ただ、その作風がシニア層の読者の頭上に「?」マークを点灯させることも多々あることから、タイムス社内の一部では「新聞漫画界のモスキート音」と呼ばれている。
2月3日。羽音ならぬ足音を響かせながら、タイムスビルを訪れる男の姿があった―。
折りしも1階自動ドア前には、常時ヒマを持て余しているワラビーがいた。
「きょうはマネキンごっこをしよう……春の新作だよ!」 オールシーズン毛皮だろ。
(わっ!ワラビーがいる!)
(ハッ!ふしんな人物です!…でも、あの絵にはどこか見おぼえがある…)
男は慣れた感じで受付を通過し、エレベーターホールへ向かった。どうやらだいぶ「顔」のようだ。(ワラビーって、普通にその辺にいるんだな…)
ーそう、男は大城さとしさん(33歳・糸満市在住)。アブノーマルな状況の受容が早いのは、ギャグマンガ家ならではか。
おばぁで究める「いとまんが道」。新聞漫画界のモスキート音 大城さとし
大城さんが訪れたのは11階編集局。社員らが仕事の手を止め、大きな拍手で出迎えた。「書店大賞、おめでとう!」「おめでとう!」
「ありがとうございます。何かすいません…」恐縮した様子の大城さん。
この日はQABの夕方の番組「ニュースQプラス」のクルーも、大城さんを取材していた。テレビカメラを前に、タイムスの社会部デスク、知念清張に原稿を手渡す。
ちなみに大城さんは週2回、3~4日分の原稿をまとめて届けているのだ。
「今回も面白いですねえ」 コメントは普通な知念デスク。
「アハハハ…」
(…そうでした!ワラビーまつりでマンガをおしえてくれた、大人気の大城せんせいです!大城せんせい大賞すごい!) 「大」多いな。
QABのクルーが声を掛ける。「大城さん、タイムスでも喜びのコメントを…」
「分かりました。ちょっと待って下さいね」そう言うと、お面を「大城さとし」から「おばぁ」にチェンジする大城さん。
お面の変化で喜びの感情を表現する男。「阿修羅面笑い」かよ。
「これからもよろしく」
「頑張ります!」
QABの取材はここで終了…と思いきや、空気を読まない動物が一匹いた。「大城せんせいおめでとう!」
「ありがとう!」 そこでワラビーに駆け寄った大城さん。マンガ家と有袋類はぎゅっと抱擁(ほうよう)を交わした。
「キャッ!くすぐったいです!」
「くすぐったがり屋さんだねワラビー」
「むしろ子どもたちのハートをくすぐりたい…」
…テレビカメラの前で何やってんだ。
気を取り直して、ワラビーブログでも受賞インタビュー。「版元」であるタイムス文化事業局出版部部長の友利仁も立ち会った。
「受しょうしてうれしかったことを、おしえてください!」
「うん。ステキなほんがたくさんある中、マンガというジャンルから選ばれたことで、喜びもひとしおだね。現在も連載中の『おばぁタイムス』は今年で10周年。とくに10周年のお祝いもしなかったので、この賞が10周年のごほうびだと思い、今後もこの賞に恥じない、楽しい作品を作りつづけたいと思っているよ」
「たのしみです!」感心するワラビー。「しょてん大賞をとって、次の目ひょうは何ですか…?」
「次にめざすのは、欽ちゃんの仮装大賞です!!」 何を言い出したんだ大城さん。
「ワラビーも出たい!『かがみもち』なら自信があります!」 お前もな。
同席する友利も口を開く。「書店員が売りたい本として選んでくれたのが一番うれしい。おばぁタイムスを愛してくれている、多くの読者のみなさんの『思い』が形になって評価された受賞だよワラビー」
「ハイ!ねえ友利ぶちょう、2巻はいつ出るの…?」
「みなさんお待ちだと思うので、早急に作りたい。お待たせして申し訳ないけど、待っていて下さい」
「待ってます!…大城せんせい、ワラビーにサインちょうだい!」単行本を手渡そうとするワラビー。
「もちろんいいよ!からの……カウンター!」
「いたい!」
「痛かった?ごめんごめん。相手が向かってくる力を利用して放つ必殺ブローだよワラビー」
「そんなせつ明いらないです!」
しかし、大城さんもペンを握れば表情は一変、真剣に。「プロ」の顔を見せてくれた。
(描いてくれるのはうれしいけど…ヒマです!)早くも飽き始めたワラビー。
「あっ、ワラビーとおばぁ、おじぃです!みんなかわいい!」声を弾ませるワラビー。
「ハイ、ワラビー」プレミア必至のサイン入り単行本をワラビーに渡してくれる大城さん。
「ありがとう!」
「いたい!クロスカウンターはもういいです!」音を上げるワラビー。
大城せんせいの「黄金の右腕」はペンを握るためだけにずっと使ってほしい。そう願わざるをえないワラビーだったー。
~ワラビーからお知らせ~
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もちろん、タイムスを読んでいる人は毎日、おばぁ、おじぃに元気をもらえます!県内に住んでいる人は1週間の試し読みもできるので、気軽に申し込んでみてね!
これからも大城せんせいと、ワラビーブログをよろしくね!