「ハートのまち」ってなん！なんだワラビー

　県内が久しぶりの陽気に包まれた２月１０日の昼下がり。那覇市久茂地の路上で、きょろきょろ辺りを見回す一人の老人の姿があった。「タイムスビルはどこかなん？」

　「この近辺だとは聞いてるなん…よっこらしょ」　「志村、後ろだ！」かよ。

　

　老人の姿を発見したのは、そのタイムスビルに生息する有袋類。「おじいさんが、何だかこまっている…」

　「こんにちはおじいさん、ワラビーだよ！」

　「ワラビー…ワラバー…子どもということかなん？」

　「はいかいしてるの？」　失礼だな。

　「違うなん！今日はタイムスビルで取材を受けるなん！」

　「タイムスビルなら、ここです！ワラビーのおうちです！」

　「そうだったのかなん！では、ワラバーがここの地権者ということかなん？立派だなん！」　地権者て。

　「ワラビーだよ！ワラビーがおじいさんを編しゅう局へ連れていきます！」

　「ワラバーはハートが優しい動物だなん！」

　「ワラビーだよ…」

　その時、沖縄タイムス経営企画室主任で、ワラビー直属の上司となる小林剛が通りかかった。

　「ワラビー、なんじぃと友だちになったのか？」

　「あっ、小林せんぱい！このおじいさんを知ってるの？」

　「バカ。なんじぃは南城市のゆるキャラで、県内一の知名度を誇るぞ。２０１３年の沖縄のご当地キャラ選手権で頂点を極めたこともあるほどだ」

　「知っててくれてうれしいなん！」

 

　「ハートのまち」南城から来た「動けるシニア」　なんじぃ（年齢不詳）

 

　「おっと、俺は行かなきゃ」

　「小林せんぱい、もう行っちゃうの？」

　「１３日からタイムスビルで始まる『ふるさと元気応援企画　おくなわフェア』の準備で忙しいんだ。お前も初日にレポートするんだからこの資料に目を通しておけ。じゃあなワラビー」　告知かよ。

　「ハイ…」

 

　―そんなこんなで、タイムスビル１１階編集局になんじぃ率いる南城市一行を案内したワラビー。「こっちです！」

　なんじぃをエスコートするワラビー。「おじいさん、ここにすわって！」

　「ワラバーは優しいなん！でも、足腰が弱らないためにも、立っているなん！」

　「おじいさんなのにすごい！…ワラビーはつかれるから、すわろう」　座るのかよ。

　なんじぃ一行が訪れたのは、１４日午前11時～午後8時に南城市地域物産館で行なわれるイベント「なんじょうハートマルシェ」のＰＲのため。

　市の形がハートに似ている点から「ハートのまち」をうたう同市。「ハートのまち　なんじょうで過ごすＨＡＰＰＹバレンタイン」をテーマに、リアル謎解きゲームや、市の特産品・カフェスイーツを集めた「ハートマルシェ」などが行われるという。

　なんじぃに同行した屋冝那々子さんは「なんじぃから来場者へ、巨大ハートチョコレートケーキのプレゼントもあります。ステージアトラクションや、お楽しみ抽選会もあって盛りだくさんです」と来場を呼び掛けた。

　なんじぃも続く。「みんなが楽しめる、『ハートのまち』のバレンタインに来てなん！」

　「ハッ！…チョコレートケーキ！？」　目が南城市になったワラビー。

　「おじいさん、チョコレートケーキについてワラビーにくわしくおしえて…」

　「ワラバー、今は取材の最中なん。人が話している時は大人しく聞くのが礼儀なん！」　年の功を発揮するなんじぃ。

　「ハイ…」

　相手にされず、所在なさげにたたずむワラビー。「ヒマです…」

　「お絵かきしよう…」

　「できました！」　「ナンＧ」かっこいいな。

 

　取材も終わり、なんじぃがワラビーに話しかけてきた。「ワラバーも、バレンタインには南城市に来るといいなん！」

　「行きたいです！じゃあ、じゃあ、その時たくさんスイーツを食べるためにも、おじいさんには今、ワラビーが持っているスイーツをすこしプレゼントします！」　ギブは小さくテイクは大きく。打算的な有袋類である。

　「うれしいなん！」

　「おじいさんだから、もちがいいと思います！」　どうやら、あべかわもちのようだ。

　「ムーチーをはじめ、もちは大好きなん！」

　（…ハッ！）なんじぃに手渡す時に、何かに気付いたワラビー。

　（拡大）

　「ありがとうなん！」むじゃきに喜ぶなんじぃ。

　（おじいさんは、もちをうまくたべるのか……見のがせません！）なんでワクワクしてるんだ。

　「後でじっくり食べるなん！」

　「ホッ」

　「なんで安心したなん？」

　「なんでもないです…そうだ、ちょうどハートのチョコがありました！これもプレゼントします！」　罪ほろぼしか。

　「ワラバーは気前がいいなん！南城市民としても、ハートは望むところなん！」

　何はともあれ、ハッピーバレンタインな光景が見られそうなその時―。

　チョコがワラビーの手元からこぼれ落ちる。「あっ」

　

「われちゃった…おじいさん、ごめんなさい」　あーあ。　

「ワラバー、なんくるないなん！」なんじぃが温かい言葉を掛ける。「おじぃがチョコをもらったら、おじぃだけがおいしく食べれるなん！でも、割れてしまったことで、おじぃとワラバーがチョコを分け合えるなん。そしたら、ワラバーもおいしく食べれるなん！」

　「おじいさん…ありがとう！」顔を輝かせるワラビー。

　「ほら、おいしいチョコで、おじぃとワラバー、どっちも幸せなん！」

　「ハイ！」

　シニアの懐の深さを身に染みて感じ、あらためておじいさん、おばあさんを大切にしようと思ったワラビーだった―。

 

　～ワラビーブログスタッフから御礼～

　なんじぃ＆同行スタッフのみなさん、ブログ撮影への快いご協力、ありがとうございました！南城市のみなさんと、「ハートマルシェ」来場者のみなさんの、ハッピーバレンタインをお祈りしています！

　「ハートマルシェ、みんなで遊びに来てね！」「待ってるなん！」

 

　～ワラビーブログスタッフからお知らせ～

　ワラビーは南城市に行く気まんまんですが、１３～１５日は小林せんぱいも告知していた、タイムスのふるさと元気応援企画「おくなわ」フェアが開催されます。「沖縄の奥、島の奥」の渡名喜、粟国、南大東、北大東、多良間の５離島の物産が那覇市久茂地のタイムスビルにずらり並びます！

　さらにフェアでは、高校がないため、中学卒業とともに島を離れる子どもたちの青春や島民の思いをつづって好評を博した本紙連載「十五の春」の連動企画も実施します！

　１３日午前１０時４０分～のオープニングセレモニーにはワラビーも登場！大勢のみなさまのご来場を、お待ちしています！

 

　～さらにワラビーブログスタッフからお知らせ～

　ワラビーブログはきょうから３日連続更新！あす１２日は、このほど開幕したペットボトルアート展をワラビーといきものがかり・村井がレポートします！ご期待下さい！