隅に置けない奥の島々だったのさワラビー(中編)


 隅に置けない奥の島々だったのさワラビー(中編)

  前回からの続きです。

 「粟国の塩対応」アニーちゃんに振り回されるワラビーだったが、気を取り直して3島目、渡名喜島のブースを訪れた。

 「海のものがいっぱい!」DSC_0860

 渡名喜村漁協は「イカ下足(げそ)スモーク」や「セーイカたんざく」、「カツオのハラモー(ハラモ)の炭焼き」などを販売している。(14日現在在庫わずか)

 さっそくワラビー担当いきものがかり・村井が試食する。「うん!カツオは歯ごたえがあり、野性味も残る味わいが、炭焼きの香ばしさとマッチしてる。イカは甘辛くて、もっちりとやわらかいよ」DSC_0865

 「ワラビーもこうしてられない!」

 漁協の女性にカツオを食べさせてもらう。「はい、ワラビー」DSC_0872

 「おいしい!ワイルドなあじがします!きっとワラビーのご先ぞさまも食べたにちがいない…」

 「草食動物のくせに適当なこと言うなよ」 村井が突っこむ。

 渡名喜島が現在力を入れているのが、無農薬の島ニンジン栽培。「おくなわ」フェアにはその加工品として、「島ニンジンゼリー」がお目見えした。フルーツ果汁も加え、食べやすくしているという。漬物「にんじんポリポリ」はしょう油ベースの味付けに、にんじんの甘みもふんわり感じられる人気商品だ。

 渡名喜村役場経済課の桃原望さんがゼリーを勧めてくれた。「ニンジンのにおいを抑えたり、食感を決めるのは難しかったです」DSC_0840

 「そんな苦ろうをこえて、ワラビーがおいしい所だけいただきます!」 まったくだ

 村井がワラビーの口へゼリーを運ぶ。「すごいプルプルしてるよ」

 「やった!おいしいです!……あっ」DSC_0876

 「どうしたの?」

 「うれしくてあわてすぎて、ゼリーで鼻のあたまがぬれてしまった…」

 「がっつきすぎだよワラビー」DSC_0886

 

  いよいよ最後の島となる、多良間島のブース。

 「ヤギがけんかしている写しんがある!いさましい…」

 「ヒージャーオーラセー(闘ヤギ)かな」DSC_0832

 「村井せんぱい、たらぴんもたたかうの?」

たらぴん

たらぴん

 「たらぴんは闘ヤギじゃないし…食用の…おっと、これから進路を選ぶヤギじゃないかな」 危ない発言をしそうになる村井。DSC_0829

 「多良間では闘ヤギを『ピンダアース』と言って、年2回大会があります」 たらま農産の知念正勝代表が教えてくれた。「多良間産のヤギは、潮風を受けて育つミネラルたっぷりの草を食べているから、肉がおいしいとされていますよ」

 フェア会場ではヤギ汁と多良間産の牛汁、牛すじみそ煮込みを販売している。DSC_0833

 ワラ「たらまぴんだは、ぜっぴんだ!」

 知念「僕でも言わないオヤジギャグを言うねワラビーは…」

  さらに多良間のブースでは、かたまり状の黒糖をハンマーでたたき割る、豪快な「かちわり黒糖」の実演販売もやっている。「ゴッゴッゴッゴッ」の音がロビーに響く。

 「かたまりだと、気もちが上がります!」わくわくする有袋類。

DSC_0894

 ワラビーと村井も挑戦してみた。DSC_0900

 ワラ「黒とうにノミが入刀される…シャッターチャンスです!」

 村井「『初めての共同作業』みたく言うなよ!DSC_0919

 ハンマーとノミを前に、なぜか彫刻家気分になったらしいワラビー。「この黒とうをけずり、ワラビー色にそめてみせます!」 いかんせん黒だろ

 「とりあえず手だけに気をつけてくれよワラビー」不安そうな村井。

 いつのまにか伊良皆光夫村長も見守る中、1匹と1人が5分間、黒糖のかたまりと格闘した結果は―

 

 ―割れなかったDSC_0930

 「…非力な僕らですいません」 女性スタッフに謝る村井。

 「いえいえ」 女性スタッフも苦笑いだ。

 「疲れたから、多良間の黒糖の試食でもしようか…あっ、懐かしくて、優しい甘さ!」村井が目を細める。DSC_0937

 「ワラビーも、し食しようか…」

 「でかいな!『試食』のレベルじゃないだろワラビー!」DSC_0972

 「…ハッ!」

 「どうしたワラビー」

 どうやらワラビーが、何かを思いついたようだ。DSC_0978

 「村井せんぱい、この甘さをよりひきたてるものを、ワラビーはもっています!」

 「何だよ?」

 「これです!」 まさかの盛り塩だったDSC_0965

 「どれどれ…うん、引き立つ!ていうか黒糖→塩→黒糖→塩と、えんえん食べられそうな気がするよワラビー!」DSC_0941

 「ホントです!アニーちゃんから塩をもらってよかった!アニーちゃんありがとう!」感謝のワラビー。どうやら粟国島の塩ようかんからヒントを得たのであろう。DSC_0949

 「甘さとしょっぱさの繰り返しって、やばいねワラビー」

 「えいえんに食べられそうです!」 女子会かよ

 

 多良間の黒糖に元気をもらったワラビーだが、ワラビーの「おくなわフェア」はここから佳境を迎えるのであった―。

 (「隅に置けない奥の島々だったのさワラビー」後編に続く

 

 ~ワラビーブロッグスタッフよりお知らせ~

 「おくなわ」の魅力は2回でも収まりませんでした…。

  後編も14日中に更新します!お楽しみに!


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