希望も不安もランドセルに詰め込んじゃってワラビー
県内小学校で入学式 編
4月8日。沖縄県内のほとんどの小学校で、新年度の入学式が行われた。
今年の県内の小学1年生は約1万5000人。晴れやかな顔、緊張した顔―それぞれが祝福を受けながら、学校生活のスタートを切った。
子どもたちが主役となるこんな日には「永遠の子ども」であるワラビーもじっとしていられない。「ワラビーからのお祝いを、みんなまっているにちがいない…」
タイムスビルを飛び出し、やってきたのは市立宜野湾小学校。
「花がいっぱいです!」
新一年生を華やかに迎えようと、宜野湾小も気合を入れたのだろう。きれいな鉢植えがそこかしこに配置されている。
「どっちのみつが甘いのか…見た目で分かるようになる練しゅうです!」 アゲハチョウと同じ思考回路の有袋類。
「…ハッ!すいません!でもまだ食べてないよ!」
「何言ってんのワラビー」
声を掛けてきたのは、沖縄タイムス愛知販売店の砂川哲也店主と、中原販売店の渡口雅子店主。
「砂川さん、きょうは何をするの?」
「うん。新しく一年生になった子どもたちに『おめでとう』しながら、タイムスの試読紙セットを配るんだ。今ワラビーが手に持っているやつだよ」
「しどくし…しく…どし…しくどし…」
「回文じゃないよワラビー。お試し版のことだから。あと、新聞を日常的に読んでいる子は読んでいない子よりも、全国学力テストの正解率が高いということをお知らせするチラシや…」
「タイムスを試読するとワラビーグッズがもらえ、契約すると図書カードがもらえる『入学おめでとうキャンペーン』をお知らせするチラシや…」
「もちろん、毎週たっぷり8ページ、親子で楽しめる子ども新聞『ワラビー』も入ったセットになるんだ」 砂川店主、長い説明ゼリフをありがとうございました。
「盛りだくさんです!とくに『ワラビー』はタイムスよりもおもしろいと評ばんです!」 相変わらずのナルシシズムを発揮するワラビー。
「とりあえず、ワラビーと『ワラビー』で、入学記ねんのポーズを決めておこう…一年生だよ!」 じゃないだろ。
新一年生を待つ間、手もち無沙汰になったワラビーは、校庭内をぶらぶら。「それにしても、花がいっぱいの学校です!」
「…ビー」
「?」
「…ラビー!」
「ワラビー!」「何でいるの?」「頭がい骨、硬いね!」
どっと取り囲まれ、戸惑うワラビー。「子どもは大好きだけど、いろんなところが引っぱられます!いたい!」
見かねた砂川店主が、児童に声を掛ける。「みんな、授業中に学校の外へ出ているけど、先生に怒られないか?」
するとどうだろう。
「あっヤバイ!」「戻れ!」「最初にワラビーのとこ行こうって言ったの男子だからね!」
きびすを返し、走って校舎へ戻る児童たち。なぜ子どもはいつも「ゼロ」か「100」なのか。
「ワラビーみっけ!」 残党狩りがいた。
そんなこんなで、ようやく新1年生を出迎えることができたワラビー。真新しいランドセルもそのひとみにまぶしく映る。「みんな、ピッカピカです!おめでとう!」
写真撮影にも応じながら、砂川、渡口両店主と「試読セット」を手渡していく。「『ワラビー』よんでね!」
校門前での祝福に満ちたひとときも一段落。新入生とその保護者がほぼ帰ると、ワラビーは一匹、体育館へ歩きだした。
「ワラビーは、人間の小学校へ入学できません。だから、ワラビーだけの入学式を、おこないます!」 また変なことを。
「たった一人の新入生、ワラビーさん、入じょうです!」 胸をはって、舞台前へ歩みを進めるワラビー。
「ワラビーさん、きょうは入学おめでとう」校長先生のつもりらしい。自分の呼びかけに、自分で応えるワラビー。「ハイ、ありがとうございます!」
「ワラビーさん、新入生のあいさつをしてくれないか?」 一拍置いて、立ち上がるワラビー。「あいさつ?できるかな…わかりました!」
♪ポローン ポロンポロローン♪
そこで、どこからか流れてくるピアノの音。宜野湾小学校校歌「世紀を超えて」なのか。
「ほほう、ワラビーさんはピアノもひけるのかい…ハイ!」 お前かよ。
最終的に、壇上へ進み出たワラビー。マイクを手にする。「新入生代ひょうあいさつします!」
「こんにちは、ワラビーだよ!ワラビーは、人間じゃないので、残ねんだけど、人間の小学校へ入学できません…。だから、入学した新1年生のみんなには、ワラビーのぶんまでがんばってほしいと思います!」
「小学校では毎日友だちと会えて、とっても楽しいと思います!みんなで勉きょうして、あそんで、ニコッと笑えばニコッと笑いかえしてくれる人が、いっぱいできるはずです!」
「でも、でも、お友だちや、せんぱいとけんかしたり、2つのケーキを3人で分けないといけなかったり、分数のむずかしい問だいがとけない時のような、いやなこともきっとあります。いじめだって、ぜったいないとは言えません!のりこえなくっちゃいけないカベです!」
「でも、むりにカベをこえようとして、つかれたり、けがする時もあります。そういう時、ワラビーは…カベぞいに歩いていって、カベがとぎれたところを探して、前へすすもうと思ってます!むりしたらつかれるよ!」 …ズル?
「あと、村井せんぱいがなかなかワラビーにもたせてくれないスマホを、もっている小学生もいるみたいです。うらやましいので、さいごにひとこと…」 まさか。
「みんなはスマホをやめる?それとも小学生をやめる?」 信州大か。
新入生代表あいさつを終えたワラビー。だが、降壇する途中で、崩れ落ちてしまった。
「…やっぱり一匹はさみしい!村井せんぱい!小林せんぱい!ワラビーも小学校へ行きたいよ!」
しばらく、その場を動けないワラビーであった。
「ひとり入学式」を終え、とぼとぼと帰途につくワラビー。「…………」
だが、運動場へ出た時。
「ワラビー!」「ワラビー!」 遠くから、ワラビーを呼ぶ声が聞こえた。
「あっ…宜のわん小の、子どもたちです!」ワラビーの耳がぴんと立つ。
「ワラビー、今日はありがとう!」「ありがとー!」「また宜野湾小にきてねー!」
遠くから声をからし手を振って、ワラビーとの別れを惜しんでくれる宜野湾小の子どもたち。
「みんなありがとう!また来ます!」手を振って応えるワラビー。
子どもたちはみんな、ワラビーの「クラスメート」なのかも。いつの間にか笑顔を取り戻していたワラビーなのであった―。
~ワラブロスタッフより御礼~
試読紙セット配布に加え、ブログ撮影にもご協力いただいた宜野湾小学校の職員や保護者のみなさん、加えて無邪気さと優しさでワラビーに接してくれた児童のみなさん、本当にありがとうございました!
宜野湾っ子の「ひとみ輝く」未来を祈っています!
~読者局よりPR~
試し読みでワラビーグッズ、購読契約で図書カードがもらえる、新入生対象の「入学おめでとうキャンペーン」のお問い合わせと申し込みは沖縄タイムス読者局まで。
電話はフリーダイヤル0120-21-9674です!
タイムスでも1,2を争うイケメン販売店主、砂川店主もワラビーとともに、申し込みをお待ちしてます!