一周回って「本物」を目指すんだワラビー(前編)


 ネオパークオキナワ・パルマワラビーに会いに行く 編

 「みんなこんにちは!ワラビーだよ!」

 「こんにちは!ワラビー担当いきものがかり・村井です!ブログ1周年…」DSC_2258

 「ありがとう!―そして村井せんぱい、ここにワラビーの仲まがいるんですね?」瞳を輝かせるワラビー。

 「そうだよ。僕らも県内の色んなところへ行ったけど…」

 「ぺーちんおじいさん、友だちはいっぱいできました!…でも、ワラビーの仲まには、まだ出会えてません!」

 

 「―そこで今日はワラビーの仲間を探しに、県北部の名護市に位置するここ、ネオパークオキナワ(名護自然動植物公園)へお邪魔したってわけさ。ここにはワラビーが20頭飼育されているんだ」

 「ワラビーがネオパークに入ったいま、ワラビーが21とうになりました!」DSC_1516

 からかう村井。「ワラビーはみんなの5倍頭が大きいから、つごう25頭くらいだろ」

 「ひどいです!」憤慨するワラビー。

 

 園内では同パークの飼育担当員、喜瀬碧子(きせ・あおこ)さんが出迎えてくれた。この日一日、ワラビーと村井をアテンドしてくれるという。「よろしくねワラビー、村井さん」DSC_1519

 「碧子さん…素敵な名前ですね。紺碧(こんぺき)の『碧』ですか」村井が感心する。

 「ありがとうございます。『ぺきこ』って呼んで下さい」 初対面でか。DSC_1524

 村井「…今日はよろしくお願いします!ぺきこさん!」 呼ぶのかよ。

 ワラ「よろしくね、ぺきこ!」 敬称どこだ。

 

 ネオパークに足を踏み入れた来場者は、まず鳥たちの洗礼を受けることになるだろう。

 ワラ・村井「…鳥がいっぱい!DSC_1520

 

  頭上十数メートルの位置にネットを張りめぐらせる、フライングケージ方式を採用した広大なネオパーク。「鳥の住みかにヒトがお邪魔した」という感覚だ。世界各地から集められた鳥は敷地全体で約500羽。水辺や樹上、陸上で思い思いに過ごしている。

  トリよ。

ペリカンも存在感を示す。

ペリカンも(手前中央)も存在感を示す。

 

  トリよ。

キバシコウ

キバシコウ。大人は白っぽいが、子どもは灰色。

  トリたちよ。

「歓迎」っぽい動き

「ようこそー!」っぽい動き

 

  DSC_1529 「目に入るものすべてが鳥だねえ、ワラビー」

 「トリ目です!」

 「そりゃ夜見えないやつだろ」

 「どうですか、エサやりもできますよ」喜瀬さんが勧めてくる。青い袋に入った鳥用のエサ(パンくずなど)は1袋200円だ。

 

 「あ、直接食べに来る!」村井が驚きの声を上げた。

 「かわいいです!」DSC_1550

 人慣れしているのはアフリカクロトキ。村井の手のひらからエサをついばんでいく。

 「ワラビーの手からもエサをたべて!♪ルールルルル ルールルルル♪」

 しかし、クロトキはワラビーの手から食べようとしない。DSC_1552

 村井「すべてのクロトキが同じくらいワラビーと距離を取っている!」

 ワラ「転こう生の気分です!」

 

 見かねた喜瀬さんが、特別にワラビーへ魚を渡してくれる。「これだったらみんな好きだから」DSC_1559

 「あお子さん、ありがとう!いいエサを食べてます!」

 ちなみに土日の夕方4~5時限定で、一般客も魚(いいエサ)を与える体験ができるそうだ。

 DSC_1562 トングで魚をつかんだワラビー。「鳥さんたち、青魚だよ!…青いよ青いよ!」

 村井が苦笑する。「ワラビー、『青さ』は別にセールスポイントじゃないだろ。青さが光るのは……青春、くらいだろ」 何言ってんだ

 

 しかし、ここでも結果は変わらなかった。村井の手からは食べるが―。

 「おっ」DSC_1583

 ―鳥はワラビーに近寄ってこない。

 「なんで?」DSC_1576

 

 「どうしたのワラビー」

 「ワラビーは、鳥とは仲よくなれないにちがいない…」すねる有袋類。DSC_1586

 

 「最後のチャレンジです!」気を取り直したワラビーが、再び鳥たちの前へ魚を掲げる。粘りと頑張り。自分との闘いである。DSC_1590

 すると。

 一羽のクロトキが近づいてきて―。DSC_1606

 ―ワラビーの手から、魚を食べたではないか。DSC_1617

 「やった!」喜ぶワラビー。

 

 (…してたのさ) どこからか、かぼそく聞こえるような声。

 「?」 戸惑うワラビー。

 (君を試してたのさ、ふくよかなる者よ)DSC_1593

 「キャッ!鳥がしゃべった!」驚くワラビー。

 「何びっくりしてんのワラビー」村井がきょとんとした。DSC_1603

(しゃべってはいない。私は、野生生物が誰しも持つ、生きるための「本能」に直接メッセージを送っている。目の前の相手の態度、動作、たたずまいから危険度を察知する。危険度は「信号」と言い換えてもよい。信号から「空気」を読む。逃げるべきなのか、それとも一緒に、やわらかい草を食[は]んでもよい相手なのか―。そうでなくては、野生では生きていけない)。クロトキは魚をついばみながら、ワラビーへ語りかけている。

DSC_1619

 ワラビーはかぶりを振った。「よく分かりません…」

(君にも備わっている能力さ、ふくよかなる者よ。私の「言葉」が分かるだろう?…ただ、感情を読み取る手段という点において、テレパシーというよりは――読唇術に近いはずだ。君は私の「体から発する雰囲気」を、主に視覚で認識することで、私の「言葉」を聞いているはずだ、ふくよかなる者よ)

 「村井せんぱいに聞こえていないということは…ワラビーもたぶん、耳を使っているわけではありません!」DSC_1622

 (うむ。私は君の『根気』と『気づき』を試していた。そして君からもらった魚はおいしかった。ありがとう。その礼として、このパークの動物たちに君を、君の仲間のもとへ案内させよう、ふくよかなる者よ)DSC_1592

 「えっ!…ワラビーを、ワラビーの仲まのところへ連れてってくれるの!?ありがとう、パンダガラスさん!」 ネーミングが独特すぎるぞ。DSC_1620

 (さらばだ) クロトキはそう言い残すと、ワラビーのもとを去った。

 

 「村井せんぱい、ふしぎな体けんをしました!鳥がしゃべったことで、ワラビーはワラビーをさがしやすくなります!」興奮する有袋類。

 「ふーん。さっぱり分かんないけど、とりあえず先を急ぐよワラビー」特に関心はない村井。

 ふと、村井へ疑問をぶつけるワラビー。「ところで、『ふくよかなるもの』ってどういう意味ですか…?」DSC_1675

 「端的に言えば『太ってる』ってことだろ

 「……えええー!」 超言われてたぞ。

 

 ―というわけで、先を急ぐことにした一行。DSC_1716

  その前に、不思議な鳥が立ちはだかった。(仲間を探してる動物ってのは、あんたかい?)DSC_1695

 ワラ「村井せんぱい、頭の上にショウガが乗ってます!ショウガ鳥がしゃべった!」

 村井「何で薬味なんだよ!」DSC_1712

 

 ー果たして一行はワラビーの仲間(本物のワラビー)までたどりつけるのか?

 「一周回って『本物』を目指すんだワラビー(中編)」へ続く!

 

 ~ワラビーからお知らせ~

 ワラビーブログは1周年記念更新祭り!一週間連続更新の予定です!あすも見てね!


  1. りゅうちゃん より:

    ワラビー先輩、ブログ開設1周年おめでとうございますりゅう☆
    まさかブログ復活後、こんなにも頻繁に更新されりゅとは思ってもいませんでしたよ。
    これからも執念でがんばってください(^_^)

    ところで、9月にぼくは10歳になりゅます。
    お祝いの電報とか送ってくれたら、紹介してあげますよ。

  2. ワラビー より:

     りゅうちゃんありがとう!ひさしぶりだね!
     1年はあっというま。でもワラビーは自由にあそんでいるだけで、がんばって
    ないよ!村井せんぱいや小林せんぱい、きろくがかりの人ががんばっているよ。

     10さいももうすぐだね。りゅうちゃんもひげが生えたり声もかわったり
    するのかな。もうすぐりゅうちゃんじゃなくなって、りゅうさんになるかも!
    その次はりゅう氏、さいごはりゅうじいです!

     ここまで書いて、村井せんぱいに「りゅう翁じゃない?」と言われました。
    「りゅう翁」強そう!

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