働いて働いたのちじっと手を見るんだワラビー
おしごと体験!グッジョブサマースクール 編
自らの肉体を追いこもうと、那覇市某所にあるトレーニングルームへ足を踏み入れた動物が一匹―。
呼吸を整え、静かに機器にスタンバイした。
4日、ワラビーがやって来たのは那覇市銘苅にある那覇市消防局。この日は隣接する「なは市民協働プラザ」の両方を会場に、小学生が職業体験する「グッジョブサマースクール」が開かれたのである。
子どもたちに話し掛けられた。「ワラビーだ!ワラビーはどんなお仕事に申し込んだ?」
「できればつまみ食いできるところがいいです!おかし工場の見学とか…」 相変わらず「生産」という言葉が似合わない、永遠の消費者ワラビー。
県内各地で開かれている同イベントはいわば自治体版「キッザニア」。受付前には朝から大行列が延びた。
この日はパイロットやキャビンアテンダント、看護師、美容師、食品メーカー、銀行員など、29の職業の体験ブースが設けられた。
そして消防士。放水体験も大行列。ほとばしる水流が会場にアーチを描いた。
一方、会場内をうろうろするワラビーは、巨大なヤギと遭遇した。「あっ」
「こんにちは、ワラビーだよ!」
「はいさいワラビー。噂はジョブたんの耳に入っているメェ。たしか沖縄タイムスの広報担当特命社員だメェ。かっこいい役職メェだメェ!」
県の産業・雇用拡大県民運動『みんなでグッジョブ運動』推進キャラクター
喜ぶ有袋類。「ジョブたん、ワラビーのことを知っててくれて、ありがとう!おなかも空いたし、一しょに10時休けいしよう?」 来たばかりのくせに。
しかし、来場した子どもたちの対応でそれどころではないジョブたん。「ワラビー。ジョブたんも休憩したいメェ。しかし、お仕事というのは甘くないメェ。休むのは大事だけど、全体の流れとタイミングを考えるメェ」
そうこうしているうちに、ワラビーのもとにも子どもたちが。「あっ!子どもたちです!ワラビーだよ!…ジョブたん!ワラビーも、うれし忙しです!」
「そうだメェ。休憩はメェ~メェ~で行くメェ!県民ひとりひとりが充実した仕事ができるように、雇用の質が上がるようにお互い頑張るメェ!」盛り上がるジョブたん。「それでは今日も、みんなで~グッジョ…」
「ワラビー、今大事なとこだったメェ!」
「…ジョブたん、流れとタイミングを考えたらいいはずです!」 お前が言うな。
ジョブたんと別れ、ワラビーは会場内へ。
琉球朝日放送「ニュース番組を体験してみよう」ブースにいたみなさんには、背景の合成技術で遊んでもらった。
「首から上だけにしてみようか」
―こうなった。
最後にワラビーは沖縄タイムス社が提供するブースへ。読者局企画管理部部長の下地勝也がスタンバイしていた。
「下地ぶちょう、タイムスは何を体けんしてもらうの?」
「これだよワラビー。新聞記者になって会場内を取材するんだ。ペン記者は参加者や講師の声を取る。カメラマンは『おしごと』体験中の参加者の、生き生きした顔を撮る。最後にそれを多目的取材車『ワラビーGO!』で記事にまとめ、速報を発行するんだ」
「タイムスならではです!」
しかし、体験開始まで、手持ちぶさたなワラビー。「ヒマです!…そうだ、子どもたちはきっと、ワラビーのおしごとも知りたいにちがいない…」
そこで何やら紙を取り出した有袋類。「『ワラビーのおしごと』です!」 ほほう。
「大事なことは3つ。たべる、ねる、あそぶです!」 出たな「ダメるるぶ」。
「でも、一ばんは『そだつ』ことです!子どもにとって、大じなことだよ!」 ていうかイラストすごいな。
「…大じなので、記しゃのおしごとの前にせつ明します!これをここにはっておこう…」
「…オイ!勝手なことすんなワラビー!」下地に見つかった。「お前の仕事は、仕事とは言わん!」
「…ええー!」
「なぜなら、お前だけで完結してるからな。ちゃんと、子どもたちに新聞の楽しさを教える仕事を、まっとうしろ!」
「ワラビーのおしごと」プレゼンが不発に終わり、再び外へ出てきたワラビー。消防局のホースを構えてみる。「カッコいいです!」
―だが、すぐにホースを地面へ戻してしまった。「重い…ハア、ハア。ワラビーも、体をきたえなきゃ、いけません…」
イラスト通りには全然育っていない、体力も発展途上のワラビー。ここで文頭に戻ると永遠に読み続けられる今回の記事なのであった―。
~ワラビーからおまけ~
今回のスクールで、タイムスの職業体験に参加してくれたお友だちだよ!すてきな速報を作ったね!ありがとう!
記事や写真が上達することは、人に何かを伝えることが上手になることです!大人になってもきっと役立つよ!これからも頑張ってね!