投じる紙には未来を乗っけるんだワラビー
18歳選挙権 編
ワラビー 村井せんぱい、聞きたいことがあります！
いきものがかり・村井 うん。何だいワラビー？
ワラ …ワラビーは、いつ出世するの？
村井 出世！？出世したいのかよワラビー！
ワラ ハイ。えらくなったら、それだけできることもふえそうです！長くなります！
村井 長くなるって何だよ。
ワラ か長とか、部長とか、それです！
村井 ああ。役職名ね。
ワラ でも、その中でも「次長」って、一ばんか二ばんか分からない…。
村井 次長かあ。大事だよ。トップを補佐し、時にはトップの仕事を代行しなきゃいけないんだ。
ワラ トップ代行です！
村井 運転代行にありそうだな。
ワラ イモも長くなれば、価値が上がります！
村井 長いもかよ。季節感出してる場合じゃないんだよ！でも、何で出世したいのさ。
ワラ ワラビーは、沖縄タイムスの本社に足りないものを考えていました。
村井 うんうん。
ワラ 安くて満ぷくな、社いん食どうが足りません！
村井 なるほど。
ワラ ごはんはお代わり自由です！
村井 それはうれしいね。
ワラ おかずもお代わり自由です！
村井 うれしいけど、経営面が気になるね。やっていけるのかな。
ワラ 店長も、お代わり自由です！
村井 完全につぶれてるよね。やっていけてなかったよねそれ。
ワラ 村井せんぱい、社いん食どうを作るために、ワラビーはどうしたらいいの？
村井 …うーん。あ、でも、これって「政治」かも。ワラビー、日本は民主主義の国だから、同じ考えの人が多ければ、その意見を尊重するようにできているんだ。だから、色んな社員に社員食堂の必要性を訴えて、賛同してくれる人を増やしたらいいんじゃないかな。
ワラ ハイ！
村井 そういや先月の６月１７日、選挙権の年齢を「１８歳以上」に引き下げる、改正公職選挙法が国会で成立したんだ。１９４５年に選挙権を「２５歳以上」から「２０歳以上」に引き下げて以来、７０年ぶりの改革だよ。
ワラ じゃあ、１８歳から「大人」になるの？
村井 うーん。飲酒や喫煙はそのままハタチからだよ。
ワラ 大人だと、バス賃もワラビーの２倍になります！
村井 バスの座席のスペース占有率で言えば、ワラビーは４倍払うべきだろ。それはさておき、選挙権の引き下げは若者の社会参加を促す意味でも効果があるんだ。
ワラ ワラビーも、おかしを買ったりして、お金を使っています！
村井 それも社会参加の一環だけど、選挙権は「自分の未来を選ぶ」というのかな。ワラビーの考えにより近い人を選んで、国とか市町村とか、より大きな場所にワラビーの意見を反映させるんだよ。要は、ワラビーの意見を、みんなの前で代表して言ってくれる人を選ぶのが選挙さ。
ワラ …なるほどー！えらばれし者です！
村井 大げさかよ。この先の沖縄や、日本を担うのは若い世代だろ。だから若い世代には選挙に行ってもらって、どんどん自分の意見を担ってくれる議員を地方や県議会、国会へ送り出してほしいね。いま、２０代が選挙に行かないんだ。低投票率が目立っている。２０１４年の衆院選では、２０歳代の投票率は３２・５８％で１０人に３人。ぜんぶの年齢の平均、５２・６６％を大きく下回ったよ。
ワラ 村井せんぱい、みんな何で選きょに行かないの？自分がこの先、生きていきやすくすることです！
村井 若い世代は「自分は勉強不足」とか、「行っても意味がない」と考える人が多いみたい。でもさ考えてみてワラビー。政治家は当選しなくっちゃいけない。そのためには、投票に行くほうの世代の「利益」を政策に反映するだろ。
ワラ どういうこと…？
村井 個人的な考えだけど、自分を「当選させてくれる世代」が得することを考えるようになるんじゃないかな。政治家は当選しなけりゃ意味がない。すると「投票に行く世代」、比較的高齢な層にハマる政策を打ち出すようになる。でも、その分若者への「しわ寄せ」が増すのかもしれない。若い世代が政治に関心がなければ「いつの間にか負担が増えている」ということにもなりかねないよ。「選挙」という「反対する機会」はあったのに、自ら失うことになりかねないんだ。
ワラ でも、ワラビーが選きょに行けるようになっても、えらび方が分からない…。
村井 それこそ新聞を読んで候補者の意見を検討することは大事さ。あと、実際に立候補した人の演説を聞いてみるのもお勧めだね。文字だけじゃ伝わらないことはきっとあるよ。ちなみに沖縄尚学高校では２０１４年の県知事選挙に合わせ、模擬投票を実施したんだ。基地問題や福祉政策などの争点を、１０代が真剣に考えて投票したよ。
沖縄尚学高校の模擬投票＝２０１４年１１月
ワラ すごいです！
村井 だからワラビーも、社員食堂を作りたい気持ちがあるなら、そのメリットデメリットをちゃんと説明し、大勢の賛同を得なきゃ。独りよがりな意見を述べて「内輪」だけで気持ち良くなっている政治家もいるねワラビー。だけど僕ら新聞社、沖縄タイムスの「武器」は「言葉」。言葉だけで、より多くの人に、沖縄の現状を分かってもらう努力をしている。そんなタイムスの一員として、食堂の必要性を説明してみなよ。
ワラ 安くておいしい食どうがあれば、お昼になやみません。いっぱいの社いんがもり上がります！あと、ワラビーは、食どうのメニューにクリームコロッケ定食をつくりたい…。
村井 そうそう。でも、民主主義は少数意見も守らなくっちゃいけない。賛成する人数の多い少ないだけで決められないことは多々あるんだ。全体から見たらわずかな人数かもしれないけど、その「少数」が生きるか死ぬか、とんでもない課題に直面している場合だってあるよ。
ワラ 意見が少なくっても、無視しちゃいけません！
村井 うん。
ワラ ただのコロッケ定食も、つくります！
村井 どっちも好きなくせに…。ただ、僕はクリームコロッケ、そんなに好きじゃないんだよね。…食いでがないと言うか。コロッケはやっぱ、あのジャガイモのホクホク感じゃない？
ワラ …ハッ！村井せんぱいがちがう意見を言ってきました！クレームコロッケです！
村井 さっそくかよ！いろんな意見を尊重しろよ！
ワラ …ハッ！ホントです！…すいません。
