多様な命の方舟を見たんだワラビー(前編)


 大哺乳類展 編

 7月17日、那覇市おもろまちにある県立博物館・美術館の敷地の一角に、あからさまに消耗している動物の姿があった―。「あついです。ハア、ハア…」DSC_0708

 「お待たせワラビー…って溶けかけてない!?」 そこに登場したのはワラビー担当いきものがかり・村井規儀(編集局学芸部主任)。DSC_0709

 「ハア、ハア、アイス…スイカ…かきごおり…」

 「…うわごと夏しりとり出た―!ほらワラビー、これでも飲みなよ。花笠食堂のアイスティー」DSC_0714

 さっそく、のどをうるおすワラビー。「村井せんぱい、ありがとう!ゴク、ゴク…冷たくて甘いです!」DSC_0719

 「元気出たかい。うちわでもあおいであげる」DSC_0723

 「ハイ!さっきまでマイナスだったやる気が、今はその100倍になりました!」 

 「その計算だとマイナス100だろ。じゃあ、さっそく冷房が利いている中に入ろうぜ」村井が促す。DSC_0741

 

 ここ、県立博物館で18日開幕したのは「大哺乳類展 ぼくらのなかまたち」(主催・沖縄タイムス社、文化の杜共同企業体)。沖縄ではなかなか見られない、世界中の動物約150点のはく製や骨格標本を紹介している。9月6日まで。DSC_0136

 ワラ「ワラビーがそのうち開く、大有たい類てんの参こうにします!」

 村井「規模の縮小は否めないなワラビー」

 東京の国立科学博物館が収蔵する「ヨシモトコレクション」を中心に展示。ホッキョクグマやアフリカゾウなどの大迫力のはく製を間近で「体感」し、写真撮影も可能。東京や青森で80万人以上の観客動員実績がある。

 ワラビーと村井は今回、開幕前日に関係者向けに行われた内覧会へお邪魔したのだ。

  いよいよ会場へ入ろうとする1匹と1人。すると背後から、かわいらしい声で呼び止められた。「ワラビー♪」DSC_0605

 「なんですか?くーみんの声に似ていました!」きょとんとする有袋類。

 「何か呼ばれたね」

  すると、同じく内覧会に招待されていた天久小学校の児童の後ろからこちらへ近づいてくる、華やかな琉装の女性がいるではないか。DSC_0599

 女性はワラビーの前へ立つと、にっこり笑ってあいさつした。「はいたいワラビー♪花笠マハエです!沖縄の観光親善使節をやっているよ!よろしくね!」DSC_0609

 

 沖縄観光コンベンションビューロー企画広報室所属

 「花笠も恥じらう」アクティブ乙女 花笠マハエ花笠マハエ

 

「ゆたしくうにげーさびら♪」ていねいにあいさつする花笠マハエ。

「花がさ…アイスティー子さんです!」DSC_0612

 「あだ名が独特すぎるだろ」村井が突っこむ。

 「今日はマハエも、哺乳類展の内覧会にお呼ばれしたのよワラビー」

 「ワラビーも村井せんぱいと呼ばれました。入じょう料を払わなくていいのが、内らん会のみりょくです!」 そんなとこに魅力はないぞ

 「ちなみに本来のお値段はおいくらなんですか?」マハエが質問した。

 村井が答える。「あそこの受付にも書いてますけど、一般・大学生が1200円、小中高校生600円、3歳以上が400円ですね」DSC_0615

 「じゃあ親子ペアで来ても、二千円札でお釣りが来るわけね」マハエは二千円札の普及キャンペンガールでもあるらしい。「親子で150種類の動物を見て、二千円札でお釣り…おトクですよね♪」

 「そうですね」

 マハエはしみじみと続けた。「二千円札でねえ…」 分かったよ

 そのあと、マハエと一緒に、会場内へ向かう天久小の児童を見送ったワラビー。たくさんのほ乳類の子どもたちに囲まれた。「楽しんできてね!」「行ってらっしゃい♪」DSC_0646

 

 入場前から、「大広間でワラビーがいた!」と書きこまれた、ある女の子のノート。DSC_0650

  …まだ展示会は始まってないんだよ。なんかごめんね。

 

 ともあれ、いよいよ、ワラビーといきものがかり・村井も会場内へ足を踏み入れた。

 まずはレオポンがお出迎え。1959年に兵庫県で誕生。ライオンとヒョウを交配させた雑種ということである。「しなやかな感じです!」DSC_0144

 「…村井せんぱい、ライオンとヒョウの子どもなの?」

 「そうだよ。レオパード(ヒョウ、leopard)とライオン(lion)でレオポン。ネコ科で近い種類だから、交尾できたんだね。今では生命倫理的な問題から作られていないはずだよ」DSC_0147

 「じゃあ、じゃあ、デコポンは?」

 「ありゃミカンとミカンの子どもだろ」

 

 

 展示では、そこから間髪入れずに「世界三大珍獣」のオカピ、ジャイアントパンダ、コビトカバが見られる。DSC_0231

 

 意外と体格が大きなオカピ。DSC_0246

 そして「ジャイアント」という名前に恐縮してそうな、小柄なジャイアントパンダ。DSC_0247

 最後にコビトカバ。DSC_0248

 体の大きさは通常のカバの1/3程度。川の近くではなく森に住むという。

 

 ワラ「…………」 世界四大珍獣か

世界四大珍獣

何となくうれしそうなワラビー

 

  続いてワラビーと村井は「ウシの仲間」のコーナーへやって来た。

 「わあー!立派なツノです!」 ひとみを輝かせる有袋類。DSC_0264

 角を持つほ乳類はすべて草食動物。肉食動物など外敵から身を守る武器だという。

 村井がつぶやく。「やっぱり草食動物はやさしい目をしているね」DSC_0266

 

 ワラ「村井せんぱい出ました、リッチな家です!」

 村井「ホントだ!リッチな家だ!」 「リッチな家」言うな。DSC_0278

 

 …この先の展示で、自身の存在にかかわる重要な発見が待ち受けていることを、まだ知るよしもないワラビーだった。

 「多様な命の方舟を見たんだワラビー(後編)」へ続く!

 

 ~予告~

 この先に…まさか…あの動物が!?DSC_0465

 久茂地の有袋類のルーツに迫る後編は20日(月)ごろ更新予定です!お楽しみに!

 

 ~ワラビーからお知らせ~

 沖縄タイムスとメイクマンさんが毎年開いている「第28回親子ふれあい手作り広場」が今年も行なわれます!子どもたちに手作りの喜び、工夫する楽しさを知ってもらうことが目的です!

 7月23日(木)はメイクマン具志川店、24日(金)は豊見城店、25日(土)は浦添本店で、すべて午前の部10時~正午、午後の部2時~4時となっています!

 対象は小学生の親子(保護者同伴)、トールペイント「木製壁掛け」作りやアクリル工作の時計作りなどが楽しめます!11659419_893465017385635_7768768518875316769_n

 申し込みは沖縄タイムス社広告局、電話098(860)3573です!

 各会場にはワラビーも遊びに行くよ!夏休みの楽しい思い出づくりに、ぜひ参加してね!

 


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