身近なふしぎに出会う夏だってワラビー
青少年のための科学の祭典沖縄大会&ワラビーまつりinちゃたん 編
「科学」の不思議さを見て触って体感できる「青少年のための科学の祭典沖縄大会2015」(主催・子ども科学おきなわ、日本科学技術振興財団、特別協力・沖縄タイムス社)が6日午後、ちゃたんニライセンターで開幕した。入場無料。7日まで。
会場には「液体窒素で遊ぼう」「スプーンの本音」「鉄球は衝突した後、どうなる?」など実験、工作ブースを約20設置。台風12号による延期の影響で、規模を縮小しての平日開催となったが、会場には多くの親子連れが足を運んでくれた。
オープニングアクトはおなじみMR.カガックこと金城靖信教諭(県立教育センター)のサイエンスマジックショー。
スプーン曲げを披露したほか、ボウリング玉やペットボトルなど、とにかく物を宙にふわりと浮かせてしまう人物なのだ。
見つめる子どもたちからも拍手と歓声が交互に上がった。祭典の「つかみ」も上々のようだ。
「すごいです!…どこがすごいのかって…とにかくすごいです!」 コメントをふわりと浮かせながらワラビー登場。
そう、久茂地の有袋類もこの日の主役。「ワラビーまつりinちゃたん」も「科学の祭典」と同時開催なのだ。沖縄タイムスブースでは新聞スクラップコーナー、新聞を使ったパズルやクイズに挑戦できる。
切り盛りするのは地域の販売店主。子どもの読解力と「伝える力」を育てる新聞と親しめる一角となっている。
ワラビーの声も弾む。「きょうは子どもたちがいっぱいです!ようこそワラビーまつりへ!」 子どもの集中力を途切れさせる有袋類。
ただ、いつもの「お目付け役」であるいきものがかり・村井規儀は別取材のため、ワラビー直属の上司・小林剛は9日(日)に迫った「ワラビーまつりin那覇」の仕込みに追われているため、それぞれ不在。ワラビーは前年に引き続き、放し飼い状態となった。
「またしてもひとりレポート…身が引きしまる思いです!」
「ワラビーふかふか!」「ふっくらしてる!」 思いとは裏腹な体型のワラビー。
まず訪れたのは、国際海洋環境センター(GODAC)のブース、「有人潜水調査船『しんかい6500』と水圧実験」。名護市にあるGODACは深海映像など貴重な海洋・地球環境情報の収集・加工・提供を業務としている機関だ。
「わくわく水圧実けんです!…すいあつ?」
「水は水の中にある物をつねに押しているんだ。その時の押す力が水圧だよ」 ワラビーの相手をしてくれたのは、GODAC職員の澤野健三郎さん。
「へえー!」
「ワラビーが持っているそのカップめんの容器に、深海1000メートルの水圧をかけてみると…どうなるかな」
澤野さんが専用の機器で圧力をかけていく―すると容器は縮小コピーのよう、そのまま縮んでいくではないか。
「あっ!食いでがなくなります!」 食いでかよ。
水圧をかける前後で、容器の大きさが明らかに異なった。「すごい!」
澤野さんが解説した。「水深1000メートルの深海では、物は1平方センチメートル当たり100キロ以上の力で押されるんだよ、ワラビー」
「じゃあ、じゃあ、ワラビーが水深1000メートルに行ったら、水圧で小がおになれる?」 何聞いてんだ。
「なれないよワラビー。動物の体には水分が多いでしょう。水分は圧力に強いんだ」
「えー!」
「ついでに、脂肪も縮まないよ」
「…ええー!」
続いてやって来たのは、琉球大学理学部物理系のみなさんが出展している「液体窒素で遊ぼう」。
ーパリパリに凍ってしまう。
さらに、液体窒素で「超電導体」物質を超低温にすることで、電気抵抗をゼロにする「超電導実験」も体験できる。
電気抵抗ゼロの「超電導体」を磁石の上に置くと、超伝導体が磁石と反発しながらも磁力線をつかまえ(トラップ)、磁石から少し離れた位置にとどまる状態になる。リニアモーターカーにも使われている技術だ。
「超伝導について少しは分かったかいワラビー」
ほかにも、さまざまな実験を横目で見ながら―、
―最後にやって来たのは、南部商業高校が出展している「四次元立体地球儀ダジックアース」。ホール舞台上の暗幕をバックに、幻想的な地球が浮かんでいる。
感嘆するワラビー。「キレイです!地きゅうはあおかった!」
さらに、こんな写真も撮れたりする。
「地球はワラビーが手に入れた…!」 後でむなしくなりそうだな。
ダジック・アースは球形のスクリーンを使うことで、地球を立体的にとらえることを可能にしたもの。今回投影されているのは2000年8月1日から1週間の地球上の天気だという。
南部商高の濱川武司教諭が解説してくれた。「宇宙から見たような地球で、きれいでしょうワラビー。雲の動きもよく分かるし。視覚的に分かりやすいのが一番の特徴かな」
「ハイ!」
「パソコンなので、地球上の時間を巻き戻して、台風の発生場所を確かめたりできるんだよ」
「台ふう…今回のまつりも、台ふうで延きになってくやしかったです!はま川先生、ダジックアースで時間をまき戻して、台ふうをやっつけよう!」 神か。
「いくらなんでもそれはできないよワラビー」
その後も時間を忘れたように、しばし地球の姿に魅入るワラビー。「ほほう…」
「くものうごきは見あきません!…あれ?見えなくなっちゃった。てい電かな…?」
後方から、先ほどの琉大理学部の学生の声が聞こえてくる。「…ワラビー!」
1年ぶりの「科学の祭典とワラビーまつりinちゃたん」でまさかの同じオチ。この1年間で成長したのか疑わしくなる、われらが有袋類であったー。
~ワラビーからお知らせ~
「青少年のための科学の祭典沖縄大会」と「ワラビーまつりinちゃたん」は7日も、ちゃたんニライセンターでやってます!
時間は午前10時~午後5時、MR.カガックのサイエンスマジックショーは正午と午後4時半の2回開催です!
さらに7日は沖縄タイムスの移動編集車、タイムスワラビーGO!もやってきます!
会場ではおやつがもらえるチャンスもあるよ!みんなで会いにきてね!