ハローキティアート展　編

　11月のある日、豊見城市の商業施設「ＴＯＭＩＴＯＮ」―。

　

　―夢見がちな登場のワラビーと、ワラビー担当いきものがかり・村井規儀。

　「…村井せんぱい」

　「…なんだいワラビー」

　「世の中はすっかりクリスマス気ぶんです！」

　「そうだね」

　「タイムスビルもツリーをかざるかな…」

　「どうだろうね。去年はペットボトルアートのツリーを飾っていたけど…おっと、こうしちゃいられないよワラビー。仕事仕事」

　「ハイ、きょうはキティちゃんを見にきました！」

 

　ワラビーが珍しく予習しているが、「ハローキティアート展」は今月２１日、ここ豊崎ライフスタイルセンターＴＯＭＩＴＯＮで開幕した。

　ハローキティといえば、日本発「ＫＡＷＡＩＩ（かわいい）」の代名詞であり、世界中で愛されるネコのキャラクター。サンリオが生んだ同キャラも今年で誕生40周年。会場には新旧のキティグッズやデザイン画など約１５０点が展示されている。

　 村井「入口の案内も多言語表示。さすがワールドワイドに有名なキティちゃんだね。うちの子が世界で売れるのはいつのことやら…」

　ワラ「まったく、がんばってほしいです！」

　村井「人ごとかよ！」

 

　さらに、併設のグッズ販売コーナーも充実。来年１月11日までの開催だ。

 

　さて、ハローキティアート展会場に足を踏み入れたワラビーといきものがかりを、さっそく「いちごキティ」たちがお出迎え。パステルカラーの世界が広がった。

　　「…ＫＡＷＡＩＩ！！」

　「ＫＡＷＡＩＩ！！」　ローマ字で言うな。

 

　会場の一角には、女性の写真が。

　「村井せんぱい、この人はだれ？」

　「ああ、この人は1980年からハローキティの3代目デザイナーを務める山口裕子さんだよ。世界130カ国で、年間５万種類以上の商品が販売されるキャラクターに育て上げた立役者とも言えるね」

 　「…３代目？」

　「そう。初期のハローキティは横座りのポーズだけだった。だけど山口さんがデザイナーになってからはファンの声を取り入れながら、例えばリボンの代わりに花をあしらうなど、キティにさまざまな変化を与え続けたんだ」　それはそうと、配置逆だぞ。

　「すごいです！でも３代めといえば、Ｊソウルブラザーズです！」

　「それじゃ野郎キティだろ。このアート展も大きな耳がついたキティが目を引くよね。山口さんが『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』への憧れを表したものなんだ」

　「…ハッ！この耳はワラビーへのあこがれじゃなかった…！」

　「耳も自意識も過剰だな」

 

　しばらく鑑賞していたワラビーが口を開いた。「村井せんぱい、キティちゃんのしぐさをまねしたら、ワラビーのかわいさにも、みがきがかかるにちがいない…！」

　「もともとかわいい自覚はあるんだね」

　「こんなポーズとかどうですか？」

　「あ、かわいいね。いいよいいよ」

　「エヘヘ…」　無邪気に喜ぶ有袋類。

　「じゃあ僕も先輩として負けられないな」　なぜか対抗する村井。かわいさと入社順は無関係だぞ。「どう？」

　「あっ、さすが村井せんぱい！ＫＡＷＡＩＩ！」

　「どうだい、ＫＡＷＡＩＩはつくれるんだよワラビー」　何言ってんだ。

　「ほほう…じゃあワラビーも…こんなポーズはどうですか？」

　

　「あ！それはＫＡＷＡＩＩねワラビー！ＫＡＷＡＩさがＫＯＮＩＳＨＩＫＩ級だね！」

　「ＳＥＫＡＩ　ＮＯ　ＫＡＷＡＩＩです！」　そのへんでやめろ。

　

　会場にはほかにも「ハローキティ博物館」のコーナーがある。ここでは、１９７４年以来のキティのデザインの歴史が見られたり―。

 

　村井「ワラビーがタイムスのキャラクターになった１９９９年はキラッキラしてるね！」

　ワラ「ワラビーが世の中に出る前ぶれだったにちがいない…」

 

　キャラクターグッズの展示があったり―。

　村井「ふでばことか懐かしい。妹が持ってたなあ」

　ワラ「電わきもあります！」

 

　さらに、全都道府県の特産品や名物などとコラボレーションした「ご当地キティ」２千体が見られたりする。

　ちなみに沖縄のご当地キティは歴代で２７種類がデザインされているという。どんな「うちなーむん」とコラボしているか、ぜひ会場で確かめてみてほしい。

 

　「地域の特産物が一目で分かるなあ…」展示を興味深く眺める村井。

　「村井せんぱい、村井せんぱい」

　「ん、何だいワラビー」

　村井が振り返った目の前には。

　「ハロー…じゃなくって、ハイサイワラビーだよ！」

　「何そのリボン？ていうか『ハイサイワラビー』語呂わるいな！」

 

　世界には愛されず１６周年　ハイサイワラビー　

 

　「ていうかワラビー、そのリボン、どっから取って来たのさ？」　村井が語気を強めた。

　「これは、これはその…」

　「分かった！さっきのクリスマスツリーの飾りだな！」

　「ハッ！…ばれました！」

 

　（…いいかんじです！）

 

　「いくらかわいいからって、勝手に取っちゃだめだろ！返しに行くよ！」

　「…ええー！」

 

　ツリーの前に戻って来たワラビーと村井。

　「村井せんぱい、やっぱりかえさなきゃだめ？」

　「当たり前だろ。ほら、こっちによこしな」

　「ハイ…」しぶしぶ、リボンを村井へ渡すワラビー。

　「…と見せかけて、僕の胸元を飾ったりね。ＫＡＷＡＩＩだろ？」

　「あ、村井せんぱい、ずるいです！ワラビーもＫＡＷＡＩＩをつくりたい！」

 

　―「ｋＡＷＡＩＩ」は三十路男（村井）をも引きつけるのか。とりあえず、キティちゃんの底知れぬポテンシャルをかいま見たような気がした、ワラビーブログスタッフであった―。

 

　～ワラビーからお知らせ～

　愛されて４０年！「ハローキティアート展」は来年１月１１日（月・祝）まで、豊崎ライフスタイルセンターＴＯＭITONでやってます！

　開催時間は午前1１時～午後６時　会期中は無休で、ご入場は閉場の30分前までです！

　当日券は一般・高大生８００円　　小中学生５００円　　幼児（３歳から）３0０円

　問い合わせ先は沖縄タイムス社文化事業局（平日午前10時～午後6時）、電話は098-860-3588だよ！

　みんなで「ＫＡＷＡＩＩ」を見つけにきてね！待ってます！

 

　～おまけ・今回のボツネタ～

　「ぐでたまワラビー」