二度ある球美(くみ)は三度あるんだワラビー(前編)
久米島町 観光・物産と芸能フェア 編
沖縄タイムスが離島などの地域活性化に一役買う「ふるさと元気応援企画」の第12弾、「久米島町 観光・物産と芸能フェア」が11日午前、那覇市久茂地のタイムスビルで始まった。13日まで。
那覇から西へ100キロ。手つかずの自然が残り、琉球一美しい「球美(くみ)の島」の愛称を持つ久米島。同町の大田治雄町長は「島からこだわりの食材や魅力的な特産品をそろえた。フェアは町の観光、物産を振興していく上で大きな励みになる」と多数の来場を呼び掛けた。
毎回大好評の「ふるさと企画」の中でも、久米島町は3年連続の開催。師走の久茂地の風物詩としてすっかり定着してきた。
会場には全国一の生産量をほこる車エビをはじめ、みそ、泡盛、調味料などの特産品や、海洋深層水を使った化粧品、久米島紬などの工芸品がずらりと並び、ビルは朝から大にぎわいだ。
「1年ぶりに、くもじにエビのきせつがきました!」久米島漁協のみなさんにもらったエビの素揚げをかかげ、ワラビー登場。「エビじまフェアです!」 「うどん県」かよ。
「いただきます!…ハッ!パリパリの皮の下にエビのうまみがぎゅっとつまっている…!まるでギョーザのようです!」 途中まで良かったのに、着地で墜落した有袋類。
タイムスビル前に漂う香ばしいにおいはエビだけではない。
「おいしそうなにおいです!」
「グルクンかまぼこよ。100%グルクンでできているのは珍しいのよワラビー」女性店員が教えてくれた。
久米島の名店「比嘉かまぼこ」の流れをくむ「手作りの店テルヤ」のグルクンかまぼこ。原料は県魚グルクン(タカサゴ)のみで、丁寧に骨を取り、蒸して揚げたものだ。添加物を加えない上品なおいしさと、もちもち食感が人気だ。
「ワラビーも手つだいます!」いきなり呼び込みを始めた有袋類。「いらっしゃいませ!めずらしい四角いお魚、グルクンのかまぼこです!」
「四角いのはすり身だから!珍しいのは形じゃないの!」 苦笑するみなさん。
タイムスビルの1階ロビーにも、久米島の特産品が盛りだくさん。
まずは久米島海洋深層水開発の「もずく佃煮」。ミネラル豊富な海洋深層水で育てたもずく入り。もずくの食感を残した仕上がりだという。
「ごはんのお友だちです!白いごはんがあっというまにみどりの海辺にかわる…!」 自分のさじ加減だろ。
久米島物産公社営業・企画課の江洲良和課長は各種みそをアピール。みそ汁用のみそに加え、油みそ用のみそも販売。油みそ用は粒があらめで食感が楽しめるそうだ。
「みそマニアむけのみそです!」 「みそマニア」て。
「油みそはポピュラーな商品だよワラビー」
久米島商工会のみなさんはお歳暮にもぴったりの贈答用「久米島印詰め合わせセット」をアピール。
みそクッキー、塩ちんすこう、球美の塩、紅イモスティックを自由に組み合わせることができるのだ。
「ワラビーはこのべにイモドリンクが気になります!」
「ありがとう!ゴク…ゴク…べにイモのかおりもあるけど、さわやかさもかんじます!ハッ!べにイモは甘いだけじゃなく、さわやかさも入っていた!?これはワラビーの発けんにちがいない…!」
「盛り上がってるとこ悪いけど、飲みやすいように、こっちで酸味を足してるんだよ」
「…ええー!」
そのお隣は久米島物産販売のブース。健康食品「ノニ」を使ったジュースや石けん、ローションなどを販売している。
「おすすめはもろみ酢が入った『飲みやすくなったノニ』よワラビー」同社の吉田昌美さんが勧めてくれた。
「体によさそうなあじがしました!」 ふわっとした感想だな。
さらにアグリット久米島、おやつ村、久米島特産品開発の3社で結成した「チーム久米島」。しょう油ベースの「ふじこおばぁの万能たれ」は、焼肉のたれからサラダのドレッシング、揚げ物の下味までお任せの一品だ。
左端の女性が答えた。「わたしのおばぁです!」
「こたえてるようで、こたえてないです!」
最後は化粧品製造、販売のポイントピュール。海洋深層水を使ったコスメがずらり。
大道りつ子専務がワラビーの相手をしてくれた。「海洋深層水はミネラルが豊富。これから乾燥する冬だし、保湿に特化したコスメがおすすめよワラビー」
「ワラビーもはなのあたまがぬれています!」 局地的な保湿だな。
「なにか美容関係で悩みがある?」
「そう、じゃあ沖縄の海底の泥を原料としたクチャのパックがおすすめ。毛穴の中をきれいにして、栄養成分を入れ込むの。シークヮーサーのいい香りもするし…」
パックのディスプレイを持ったワラビー。
「ほほう、これで小がおに…」 残念ながら、頭の大きさをより意識させる結果に。
1階のレポートを一通り終えたワラビー。会場をぶらぶらしていると、1年ぶりの顔を見つけた。「あ、く~みんです!く~みん!」
「はい~♪ワラビー♪♪久しぶりだねぇ~♪♪♪」うたうようなはずむようなソプラノボイス。久米島町観光協会のゆるキャラ、く~みんだ。
輝く!女子力大賞 美意識高い系発光ガール く~みん(ホタル)
「ねえワラビー♪久米島フェアを楽しんでる?」
「わぁ~うれしい♪♪」仕草がいちいちかわいいく~みん。「車エビだけじゃない久米島の魅力にも気づいてくれたんだねぇ~♪♪なにが一番おいしかった??」
「エビです!」
「………」
「まあともかく♪♪今年もよろしくねワラビー♪♪…あっ!」 おなかを押さえ、だまりこんだく~みん。
「どうしたのく~みん?大じょうぶ?」く~みんの顔色をうかがう有袋類。
―数秒後、顔を上げたく~みん。「何でもないよワラビ~♪♫気にしないでねぇ~♪♪」
く~みんは、内心ひやりとしていた。
(危ない危ない♫ いま糖質制限中だからおなかがすいちゃって♪ ワラビーの前でおなかが鳴るところだったよ~♪♪ 女の子なのに「グゥー」とか鳴っちゃったら赤面モノだよ~♪♪♪)
「体ちょうがわるいなら、タイムスの医むしつへ、あんないするから言ってね!」
「大丈夫だってぇ~♪でもありがとうねワラビー♫」お礼を言うく~みん。
このやりとりが、のちにワラビーとく~みんにすれ違いを引き起こす―。
「二度ある球美(くみ)は三度あるんだワラビー(後編)」へ続きます!
12日(土)更新します!
~ワラビーからお知らせ~
久米島フェアは12日(土)、13日(日)もタイムスビルでやってます!
久米島紬ブースでは織り、着付け、各体験コーナーも楽しめます!
12日、13日の各午後3~4時はお子様対象の車エビ釣りイベントも実施!
毎回大好評の芸能公演は地元の中高校生による現代版組踊「月光の按司 笠末若茶良(がさしわかちゃら)」です。
12日は午後4時半~ 13日は午前11時~、午後2時~の計3回公演だよ!
みんなで来て、久米島の魅力と活力を体感してね!