海の邦(くに)に青い鳥を見つけたんだワラビー
沖縄海邦銀行新本店&かいホーくん誕生 編
12月のある昼下がり。沖縄タイムスの広報担当ワラビーと、ワラビー直属の上司・経営企画室主任の小林剛は那覇市久茂地、国道58号線わきの歩道をゆるゆると歩いていた。
「小林せんぱい、たまにはさんぽもわるくないですね!」
「誰が散歩だと言ったんだ。県内の地銀、沖縄海邦銀行の本店がこのほどリニューアルしたので、きょうは表敬訪問だ」
「ぎん行ですか…ワラビーはむずかしいことは分からないです。お金の使いみちはおやつかおかず…」
「エンゲル係数100%かよ。きょうはビジネスの話じゃない。何でも大物新人が入行して、お前に会いたがっているそうだ」
「大ものが会いたがっている……この、小がおをめざすワラビーにですか?」
「関係ないだろ。とりあえず着いたぞ」
「ハイ!」
沖縄海邦銀行(上地英由頭取)の新本店は11月、国道沿い・松山交差点の一角に落成した。
55年ぶりの建て替えとなり、地上10階、地下1階の構造。延べ床面積は同じ場所にあった旧本店の約2倍となる1万627平方メートル。
低層階は石積み構えで旧本店のイメージを残した一方、上層階は白が基調の外壁とガラスの組み合わせがモダンな印象を与える。 ワラ「入り口のシーサーは、まえの本店のシーサーとかわらないそうです!」
海銀は新本店ビルの竣工に合わせ、ホームページなどもリニューアル。従来の銀行のイメージを超え、未来へ成長していくという趣旨のブランドビジョン「Beyond the Bank」を掲げた。
新本店への移転作業は13日までに終わる予定。本店営業部は14日、営業をスタートする。
さて、国道裏手のエントランスから新本店ビルへ足を踏み入れたワラビーと小林。
受付の女性が笑顔で応対した。「こんにちは。お約束ですか?」
「お約そくじゃなくて、あいさつだよ…でもたしかに、お約そくのあいさつです!」 ややこしいな。
新本店で出迎えたのは今回ワラビーに声をかけてくれた、同行総合企画部・経営企画担当の高良彦行調査役。
「こんにちはワラビー、小林さん。今日はよろしくお願いしますね」
「ひこ行さんは、ぎん行の人っぽい名まえです!」
「お前いきなり失礼だろ」小林がたしなめた。
高良調査役が先導する。「申し訳ないですけど、大物新人はいま休けい中なんです。先に社内を見ましょう」
「お祝いの花がいっぱい!」マイペースな有袋類。
小林があきれた。「うちの新人広報もこんなんですから」
「ハハハ…」 高良調査役も苦笑い。
まずは2階大ホール。社内外向けの研修や講演会、イベントなどに活用できる。
「わあー、広いです!」
演台に立つ、目立とう精神の有袋類。「行いんのみなさん…ツルが、わなにかかっていたら、助けてあげてください!」
「何だその講話は」
「…おんがえしだ!」 なに沢だよ。
こちらは来客中ということで見学できず、秘書の女性にごあいさつ。
ワラ「つぎは中に入れるくらい、ビッグになります!」
小林「顔の大きさでいえばCEO級だけどな」
まるで一銀通りを空中散歩しているかのようだ。「気もちいいです!」
案内してもらっているうちに、大物新人行員が休けいから上がったとの連絡が入り、ワラビーと小林は、応接室に通された。
「こんにちは、ワラビーだよ!」
「ワラビー先輩、めんそーれだホー!!」
応接室でワラビーと小林を待ち受けていたのは、好奇心旺盛そうな大きな目が特徴的な、青いフクロウ。
「あっ、オシャレメガネのフクロウです!」
「初めまして!今年8月8日に生まれたかいぎんのフクロウ、かいホーくんだホー!」
新人の基本は「ホー・連・相」 イメージと違う幸福の青い鳥 かいホーくん
「メガネが青と赤でカッコいいね!」
「ホーこくしますとワラビー先輩、これはメガネじゃなくて、『かいぎん愛』が顔に出てきたんだホー!」
ワラビーが素朴な疑問をぶつける。「フクロウなのに、おひるに起きてるの?」
「よく聞いてくれたホー。夜行性なのでホーんとは眠いホー。ただ、持ち前のガッツで起きているホー」
それを聞いて小林がつぶやいた。「この目、ひょっとして寝不足の目なんじゃ…」
―ともあれ、新本店への移転を祝って、ゆるキャラの「先輩」ワラビーから、かいホーくんへ「引っ越しそば」をプレゼントした。
「ありがとうワラビー先輩!」喜ぶかいホーくんは、力強く決意表明。「これを励みに、地域の人とどんどんコミュニケーションをとっていきたいんだホー!」
「がんばって!…でも、あげたはいいけど、ワラビーも見学でいっぱいあるいて、おなかがすいてきました!」 情けない事を言い出す有袋類。
すると、かいホー君から申し出が。「ワラビー先輩、ホー存食をいっぱいもらったので、一つ差し上げるホー」
無事にかいホーくんとあいさつを済ませたワラビー。最後に高良調査役が、眺望のいい9階の社員食堂へ案内してくれることになった。その移動中。
「あっ、お前なに沖縄そばを食べてるんだワラビー。よそさまの新社屋を汚すなみっともない!」 小林が慌てて止めた。
「ええー!」
「いいからやめろ!」
「明るくて気もちいいですね。海も首里のあたりも見えるし」小林が感想を言った。
「リフレッシュコーナーも隣接しているんです。マンガは仮で置いてるんですけど」
「へえー」
「自分も新人ですけど、新しいビルをホーこりに思っているホー!」
すると小林の目を盗み、その場を離れていくワラビー。(今のうちです…)
―しばらくして、小林がワラビーの不在に気づいた。「あれ、ワラビーどこ行きました?」
「本当だ、いないですね。慣れないビルで迷っていなきゃいいですけどね」高良調査役の表情も曇った。
「申し訳ないですが、私も慣れないもので、一緒に探して頂けませんか?」
「もちろんです」「もちろんだホー!」
一同は違う階も探してみることに。シックな雰囲気の2階廊下を捜索している時だ。
「ワラビー見つかりませんね」
そこで、かいホーくんの声が響いた。「高良調査役と小林さん、ワラビー先輩は、このホー角だホー!」
「間接照明で暗いのによく分かったね」小林が感心した。
そうして、かいホーくんが羽で示した先には―。
小林はずんずん進んだ。沖縄そばのかけらを追って。「お前ワラビー…ヘンゼルとグレーテルかよ!」
「…ハッ!小林せんぱい…!」物陰に隠れて沖縄そばを食べているところを見つかった有袋類。
「おいワラビー」小林のバリトンボイスがつめたく重く響いた。
「ワラビーは、おなかがすいていたんです…」
「結局海銀さんの新社屋を汚しているじゃないか!何でそんなに我慢を覚えないんだ!かいホーくんの方が、よほど立派だったぞ!」
ゆるキャラの「ゆるさ」は「キャラ」だけでいい。「天然」でやられたらたまらないな。思わずそんな深い事を考えた小林であったー。
~ワラビーからお知らせ~
かいホーくんは新人ながらすでにLINEスタンプデビューしています!
今月中にはかいホーくんがクイズに答えて沖縄一の銀行マンを目指す、ゲームアプリもリリースされるよ!詳しくは沖縄海邦銀行ホームページをチェックしてね!
本店営業部も14日に営業開始です!