「健脚」万来の師走なんだワラビー(前編)
第31回NAHAマラソン 編
12月6日午前8時すぎ、国場川にかかる明治橋。まぶしい朝日が川面に照りかえす。
そう、それは鐘の音。
平和を愛する沖縄県民。この大会のジョガーは、ピストルの号砲ではなく、スタート地点に設置された万国津梁之鐘が打ち鳴らされた瞬間、一斉に走り出すのだ。
スターターは毎年県出身の有名人が務めるならわし。今回、あの鐘を鳴らすのはー。
「きょうはワラビーがすむ大とかい・なはが一年で一ばんかがやく日です!」 ゆっくり振りかぶった有袋類。「だい31回なはマラソン、はじまるよ!」
「・・・まえの人が、かね一つでした!12ばん、ももいろクローバーで『はしれ』です!」 のど自慢か。
(これだけやっておけば、らい年はワラビーにスターターをさせてくれるにちがいない・・・) 本来の持ち場へ戻るワラビー。
※那覇市担当者様へ うちの有袋類にスターターのオファーをお待ちしております。 ~ワラビーブログスタッフ~
太陽と海とジョガーの祭典「第31回NAHAマラソン」は6日午前9時、2万6679人が国道58号明治橋交差点からスタート。那覇市など南部5市町にわたる42.195キロを駆け抜けた。
そしてその「2万6679人分の1」として、この男の姿が。
「ホントもうワラビー、何でここに僕がいるのか謎だよ・・・」
今回、ワラビー担当いきものがかり・村井規儀(編集局学芸部主任)も見事、抽選をくぐり抜け、NAHAマラソンに出場を果たしたのだ。
「ぜんぜん練習できなかったから、ホントは辞退しようと思ったんだけど、このワラビー&村井シルエットTシャツをいただいた、ワラビーブログファンの神奈川のみなさんの思いに応えなきゃね」
「村井せんぱいは打てばひびく、タイコのような男です!」 たとえ普通だな。
「ワラビー、念入りにストレッチを頼むよ。…あいたたた!」
「しっかりほぐしてよ。すてきな女性ランナーの前で足がつったらカッコ悪いからね…あいたた!」 村井よ、次は鼻の下をストレッチするつもりなのか。
そして、村井はスタート地点へ。「じゃあ、自分なりにベストを尽くすよワラビー」
「がんばって!完そうしたら、ワラビーからプレゼントがあるよ!」
「楽しみだなあ。でもあまり期待しないでね、行ってきます」
「ファイト…連ぱつです!」 へたな鉄砲かよ。
長い長い南部路へ旅立つ、いきものがかり・村井へエールを送ったワラビーは、本来の持ち場であるスタート地点へやってきた。「ジョガーが国どう58号をうめつくしています…」
過去に、このブログにも登場したことがある南風原町のはえるん、八重瀬町のシーちゃんなど、南部の市町村のゆるキャラたちが集合。お祭りムードでスタート地点付近をにぎやかしている。
いよいよ、スタート時刻の午前9時が迫ってきた。会場にみなぎる緊張感。
―みなぎる緊張感。
「あっ、ピカチュウです!ポケモン人気にあやかります!」 …みなぎる便乗感。
真のスターター、県出身のお笑い芸人・スリムクラブの真栄田賢さん(下写真左)と内間政成さんが登場。お笑い芸人がNAHAマラソンスターターを務めるのは初めてだ。
真栄田さんが持ちネタで盛り上げた。「完走しても…いいよぉ!」
10秒前からカウントダウン。午前9時。スリムクラブの二人が鐘をついた。
カーン!
どっとスタートするジョガー。2万数千人がアスファルトをける音が響いた。次から次へと押し寄せる人波。最後尾がスタート地点を通過するのは、実に35分後となるのだ。
「がんばって!」「マイペースです!」 途切れることのないジョガーとタッチを繰り返しながらエールを送る有袋類。「ぶじかえってきてね!」
小禄高校吹奏楽部も演奏を開始。息が合った、アップテンポな楽曲でランナーの気持ちを奮い立たせる。
さらに合間合間には、ダンスパフォーマンスで盛り上げた。「ハイ!ハイ!ハイ!」
「…ハッ!おろく高こうのみんなと楽しくおどっていたら、村井せんぱいを見のがしました!」 最重要人物を軽やかにスルーしたワラビー。不安そうに進行方向を見つめた。「ぶじならいいけど…」
全ジョガーが通過した後、小禄高校の記念写真にちゃっかりお呼ばれした有袋類。
NAHAマラソンを毎年中継している琉球放送(RBC)のカメラクルーがすかさずかけつけ、テレビ的なコメントを言わされるのであった―。
いきものがかり・村井は完走できるのか?ジョガーや沿道ボランティア、市民のみなさんの思いが輝く、「『健脚』万来の師走なんだワラビー」(後編)へ続きます!