ゆび先サイズの平和を積んじゃってワラビー
「レゴブロック」で作った世界遺産展 編
首里城にサグラダファミリアにモン・サン・ミシェルー。「レゴブロック」で作った世界27カ国の世界遺産40作品が、県内に堂々お目見えした。
20日、世界遺産チャリティーアートエキジビション「PIECE OF PEACE 『レゴ®ブロック』で作った世界遺産展PART―3」(主催・沖縄タイムス社、同実行委員会)が浦添市美術館で始まった。写真やテレビなどでおなじみの建築群が3つの展示スペースにぎゅっと詰まっていて、短時間で世界をぐるりと巡った気分が味わえる。まさに「豪華すぎる箱庭」というおもむきだ。
そして開幕前日の19日、関係者向け内覧会に呼ばれたのは、沖縄タイムスの広報担当ワラビーと、ワラビー担当いきものがかり・村井規儀(編集局学芸部主任)
「村井せんぱい、レゴブロックてんです!ワラビーのワクワクもつみ上がる…」
「うん。この内覧会をレポートして、いい所をどんどんアピールするよワラビー」
「内らん会のいいところは、お金をはらわなくてもいいところです!」
「前も言ったけど、そんなところに良さはないよワラビー」
会場入り口では、さっそくレゴと触れ合えるコーナーがあった。招かれた県内の保育園児らが想像力を形にしようと奮闘している。
「みんな、何つくってるの?」
「ワラビーのおすすめは、長方形のブロックを2つ使ってつくる、タイムスビルだよ!大とかい、なはにあるよ!」
「つまんなそう!」無邪気な子どもたち。
「タイムスビルを作らせようなんて、手前みそにもほどがあるだろ…こりゃ童心に帰って楽しめるね」レゴブロックでガチャガチャ遊ぶ村井。
「つまんなそう…タイムスビルはワラビーのおうちなのに…」落ちこむ有袋類。「おいしいものがよく集まってくる、あのぶっ産てんビルのよさは、子どもにはわからないにちがいない…」
「自分も子どものくせによく言うし、そもそも自社ビルを『物産展ビル』とはなんだ」
「だって今も北かい道ぶっ産てんを…ハッ!あれはつかえる…!」何かを思いついたらしい。
「どうしたのワラビー」
「…なんでもないです!」
―さて、いよいよ「レゴ展」会場内へ足を踏み入れたワラビーと村井。エジプトのアブ・シンベル神殿の、ラムセス2世の「石像」がお出迎えだ。
「大きい!これが全ぶ小さなレゴブロックでできているなんて、おどろきです!」
「ホントだね!想像力と…工夫と…あとはひたすら労力の産物だろうね」村井も感嘆の声を上げた。「足もとの造作もそうとう細かいよ」
「ワラビーもよく見たい…」
「そこにひれふすと、ファラオへの服従感がハンパないからやめなよワラビー」
先へ進むと、世界の有名建造物が目白押し。
「あれ、ちゃんと傾いてる?」
「ワラビーと村井せんぱいが、かたむいているからです!」
「ああそうか。不思議なもので、斜塔を見てると体が傾いてくるよね」
「ペットが、かい主ににてくるのと同じです!」 どこがだ。
圧巻はスペインの建築家アントニオ・ガウディ設計によるサグラダファミリア大聖堂。
25,000ピースのレゴブロックを使い、約600時間かけて制作されたという。
村井がつぶやいた。「本物は100年たっても完成していないのに、レゴの方が先に完成するなんて!これじゃ死んだガウディも浮かばれないよね」 成仏させろや。
建造物以外の作品もある。変わり種ではレゴの「盆栽」も展示されている。
「ウフフ…村井せんぱいのばあいは、知ったかぶりです!」
「おっ、うまいこと言うねワラビー」
「ウフフフ!」 馴れ合いかよ。
もちろん沖縄が誇る世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」からも「首里城」が選ばれた。ミニチュアながらその威容を誇っている。
「王さまのおうちはりっぱです!」
村井がため息をもらした。「龍の屋根飾りまできっちり再現してる!この南国の青空に映える赤瓦の屋根も美しいよね」
「ワラビーの配色は地味だからなあ」 「配色」言うな。
「じみ…」
今度は「世界一美しいお墓」、インドのタージ・マハルの前で足を止めたワラビー。「ホウ…」
「…なんだワラビー。その建造物が気に入ったのかい。17世紀にインドの皇帝がお妃(きさき)のために建てたお墓だよ」
「そうだね。僕は写真や何かで、この建造物を見るたびに思いだすことがあるんだ……彼女は僕が小学5年生の時の同級生。世話焼きで、よく文房具を貸してくれたっけ。いつもニコニコ笑ってるような、かわいい子だったなあ」 遠い目をする村井。
「…ハッ!それは村井せんぱいの、はつ恋の話ですか?」ワクワクする有袋類。
「いや違うよ。彼女の名前が、田島春子だったんだ。世界遺産みたいな名前だろ?」 どうでもいいよ。
そんなこんなで、村井が英国のウエストミンスター宮殿に目を奪われている間に―。
―会場の外から何やら、運び入れるワラビー。
「この入り口の正面においておけば、みんな、タイムスビルのかちをみとめるにちがいない…」満足げな有袋類。
世界負の遺産 ワラビー関連作品群より
その場でアピールまで始めた。「新しい世界い産登ろくはすぐそこ!ワラビーがすむ、タイムスビルだよ!」
そこでようやく、異変に気づいた村井。「…あのバカ!何やってんだ!」
慌ててワラビーのもとへ駆け寄った。「コラビー!」
「違った、こらワラビー!何勝手に展示増やしてんだよ!」
「あっ、ワラビーのタイムスビル取っちゃダメ!」ビルオーナー的発言が飛び出す有袋類。
「ワラビーがタイムスビルを好きなことはよく分かったけど、みんなレゴブロックを見に来てるんだから。コンクリートブロックを置いても邪魔になるだけだろ」
「…ハイ」
「そもそも作品のクオリティー低いだろ」
「だからこんなもの置いちゃだめ!」
「……ハイ」 今回もやっぱりしゅんとなったワラビー。
どうでもいいけど、レゴ製のラムセス2世像とも相まって、画(え)的に何かすごい終わり方だな、と思ったワラビーブログスタッフなのであった―。
~ワラビーからお知らせ~
「『レゴ』世界遺産展」は4月10日まで、浦添市美術館でやってます!入場料は大人(高校生以上)800円、子ども(4歳~中学生)600円、3歳以下は無料です!
時間は午前9時半~午後5時まで、金曜日は午後7時まで、最終入館は閉館の30分前です!
月曜は休館(ただし3月21日は開館)なので気を付けてね!
さらに会場内の写真撮影は自由!みんなで世界遺産の旅を楽しみに来てね!待ってます!
レゴブロックもすごいけど、ワラビーのタイムスビル愛もすごいです!
がっかりしないで、ワラビー。今月は沖展がありますよ。
ヒロコさん、いつもありがとう!
沖てんでまたワラビーてんがやれるのか…ドキドキです!
ワラビーがすむタイムスビルは、安ぜんと安しん、安らぎのシンボルです!
ハッ!…これはきっと、やきにく「安々」の名まえの由らいにちがいない…!
ここまで書いて、隣にいる村井せんぱいに「違うだろ」と言われました…。