世界の中心でアイを叫ぶんだワラビー
エヴァンゲリオン展 編
国内外で大ヒットしたアニメの魅力に迫る「エヴァンゲリオン展」(主催・沖縄タイムス社など)が25日、那覇市おもろまちの沖縄県立博物館・美術館で開幕した。2007年からの「新劇場版」シリーズの原画や絵コンテなど約1300点が展示されている。5月8日まで。
大災害によって世界の人口が半減した世界で、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなり、さまざまな形状で第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」に立ち向かう少年少女らの姿を描く。
つねに自分の存在価値を問い続ける主人公「碇シンジ」や、感情の起伏に乏しいヒロイン「綾波レイ」など旧来のロボットアニメになかったキャラクター設定やスタイリッシュな演出、聖書など宗教的な要素を取り込んだ謎めいた世界観などが話題となり、1990年代後半にテレビアニメが大ヒット。2000年代にはアニメを再構築した新劇場版4部作が始まり、現在「序」「破」「Q」の第3作まで公開済み。完結編の完成が待たれている。
―そんなエヴァンゲリオン展に久茂地の有袋類、ワラビーが襲来した。
「しょ号きです!カッコいい!」子どもは重機など大きいものに憧れるのだ。
お目付け役はおなじみワラビー担当いきものがかり・村井規儀(編集局学芸部主任)。「エヴァの世界が沖縄初上陸。期待感は高まるねワラビー」
「タイムスからの使徒、ワラビーです!」
「使徒っていうか、使い走りだろ」村井がツッコむ。「でもワラビー、エヴァのアニメなんか見たことあるの」
「大じょうぶです!予しゅうしてきました!」 新劇場版第1作「序」のブルーレイディスクを示した有袋類。
「ワラビーもエヴァにのって、タイムスビルを守りたい…!」
「何から守るんだよ」
「えっと、えっと…花ふんとかです!」
「その春先限定の脅威は何なんだよ」
さて、意気ようようと会場へ足を踏み入れるワラビー。「うす暗い…ものものしい、ふんい気です!」
村井が追ってきた。「ちょっと待ってワラビー。何持ってるの」
「エヴァの機体に電気を供給するアンビリカルケーブルかよ!ただの延長コードだろ!こんなもん会場に持ちこんじゃダメ!」
「何やってんだよワラビー」
「いちいちエヴァごっこやめろよ。まだ全然中身を紹介できていないし、ただでさえこのブログ、毎度記事が長いんだから」 そんなこと言うな。
気を取り直してエヴァ展へ。(※通常は撮影不可です)
キャラデザインを手がけた貞本義行さんが連載していたマンガの生原稿、
初号機や、使徒せん滅を目的とする組織「NERV(ネルフ)」本部の作画参考模型などが所せましと並んだ。
「もけいで見ると、はたらくイメージがわきます!」
「インターンシップ生みたいに言うなよ。ネルフ就職希望かよ」
特に目を引いたのが、映画の「画面作り」に関する背景、画(え)コンテなどの膨大な設定資料。展示の大部分を占める。
完成映像のイメージを触発するためのイラストには「走るエヴァの向こうの地面が連結して起き上がる!」「より早く、速く!」など細かな書き込みがびっしり。
使徒との戦闘シーンの描写では「アゴを引いて相手に頭突きをかますくらいのイキオイで!」などの注意書きが。1コマ1コマに、携わる制作者の息づかいや筆づかいが感じられ、見ごたえのある展示となっている。
例えば第5使徒の設定資料には、体のパーツごとに「カタイかんじで」「牛の解体みたくアバラなかんじで」「イカみたくやわらかいかんじで」と注意書きが付く。
これらの資料を見て「ああ、あの場面ね」と分かるようなファンにとっては、一見どころか何回も見たくなる価値があるだろう。
さらに、そんな資料をもとに撮影され、3DCGなどを組み合わせた完成映像も会場で上映中。新劇場版第2作「破」、エヴァ初号機の疾走感が気持ちいい第8使徒戦だ。
ワラ「ホウ…カッコいいです!」
「アヤナミは小がおです!」
「そっちかよ。でも自分は三頭身だからなあ…」村井がつぶやいた。
出口付近にはエヴァと「おばぁタイムス」大城さとし先生がコラボした「おばぁんゲリオン」イラスト展示もあった。
「おばぁがメカメカしていてカッコいいです!」
会場には「おばぁんゲリオン」缶バッジガチャガチャも設置されている。
物販コーナーも充実。この展示会限定のグッズも多いので、ぜひのぞいてほしい。
会場を出て、一休みするワラビーと村井。
「盛りだくさんの展示だったね。さあ帰ろうかワラビー」
「村井せんぱい、ワラビーはおなかがすいてうごけない…活どう限かいです!」
「タイムスビルまでうごく元気がない…」
「僕もあいにく食べ物を持ってないんだ」
すると、見かねた受付の男性が、かたわらからワラビーに声を掛けてくれた。
「ワラビー、あそこのスタッフ控室にたしかお菓子があったはずよ」
「おかし!ホントですか?」
「ただ、あの部屋、けさ蛍光灯が切れちゃったみたいなんだ」
「まっくらです!」
「ホントだ。これじゃ探しようがないねワラビー」
「…ええー」残念そうな声を上げる有袋類。
「そうだ!」村井がカバンを探りだした。「たしか懐中電灯を持っていた…あった!」
だが、村井の声はすぐにトーンダウンした。「だめだ。電池がないや」
「きたいした分、がっかりです!…ハッ!」ワラビーが何かを思いついた。「…ヤシマ作せんです!」
「何を言い出したんだワラビー」
「このはくぶつ館全体から電池をあつめてきて、かい中でん灯を、光らせます!」
「ヤシマ作戦ってあの、新劇場版第1作『序』で、第6使徒を遠距離狙撃するために日本全土を停電させて、その電気を集めて陽電子砲のエネルギー源にしたやつか!」 村井の説明ぜりふひどいな。
「そうと決まれば…ワヴァンゲリオン、発しんです!」空腹はどこへやら。高らかに声を上げたワラビー。
「ワヴァの発しんシーンです!」 「ワヴァ」言いづらいな。 「村井せんぱいは、早くワラビーのためにかん電池をあつめてきて!」
「人づかいが荒いやつだなホント…」
―というわけで、県立博物館・美術館内から乾電池を集める村井。
「すいません、備品に電池があれば、貸して頂けませんか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「ありますよ。ハイどうぞ」
控室前に舞い戻った村井はあらためて懐中電灯に乾電池をセット。
だが、光らない。首をひねる。「おかしいな。接触が悪いのかな」
ここで空腹時に最も頭を回転させる有袋類が思いついた。「かい中電とうがなくても、村井せんぱいのケータイの画めんが光ります!」
「そうか!…だめだ、切れてる。きょう充電しないで家を出てきちゃったんだった」
「今回の村井せんぱいは、いいとこなしです!」非情に言い放つ有袋類。
「誰のために動いてると思ってんだよ。待てよ。ついさっき、このケータイに電源を引っ張ってこれるものを見たような…」
「…ハッ!ワラビーの、アンビリカルケーブル!」
さっそく、リールに充電器を差し込んだ村井。「さあワラビー、これで画面が光るはずだよ」
「…やった!光ったよ!」 ぼうっと発光するケータイを手に、控室に乗り込むワラビー。
お菓子を腹に入れ、満足げな有袋類。「村井せんぱい、はやくタイムスビルにかえろう?」
「現金なやつだな。こんなイラッとした時、僕はどんな顔をすればいいか分からないよワラビー」
「とりあえず、…わらえばいいと思います!」
「調子に乗んな!」
自由奔放なワラビーのせいで、イライラに拍車がかかったいきものがかり・村井であったー。
~ワラビーからお知らせ~
エヴァンゲリオン展は5月8日(日)まで、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館でやってます! 開場時間は9:00-18:00、入場は閉場の10分前までです!
※月曜休館、4/29(金)、4/30(土)、5/7(土)は20:00まで
入場料 は一般1,200円、高校・大学生800円、小中学生500円、未就学児は無料です!
進化した映像表現とファンの予想を超えるストーリー展開、エヴァの魅力を解き明かしに来てください!待ってます!
ワラビーブログへのご意見やワラビーのイベント出演依頼などは引き続き、warablo@okinawatimes.co.jp から受け付けています! 気軽にご連絡下さいね!