ウージの葉ずれ若き音楽とハモれよワラビー


 第22回おきでんシュガーホール新人演奏会 編

 梅雨入りした那覇市の空に、数日ぶりに晴れ間がのぞいた5月20日午前。沖縄タイムスの広報担当・ワラビーはタイムスビル11階の編集局学芸部にやってきた。

 ちょうどパソコンへ向かっていたワラビー担当いきものがかり・榮門(えいもん)琴音の背中へ声を掛ける。DSC_0852

 「ことねせんぱい、おしえて!」

 「どうしたのワラビー。…楽譜?」

 「ハイ!ワラビーは今日、ランチタイムミニコンサートにお呼ばれしたので、一曲ひろうします!曲のひろうには、楽ふの理かいが必ようです!」 何をいっちょまえにDSC_0849

 「そうかー。すごいねワラビー。楽譜読めるの?」

 「よめないけど、音ぷがおだんごに似てるので、見ててたのしいです!」

  「…観賞用なんだ」

 「この楽ふの先頭の、うずまきアメの」

 「たぶんト音記号」DSC_0848

 「よこのいたチョコみたいなやつがカッコいいです!名まえをおしえて!」

 「いたチョコ…ああ、シャープ」

 「シャープ…名まえもカッコいい!」喜ぶ有袋類。

 「半音上がる…音を少し高くしてね、…ってことなんだけど、それよりワラビー、一曲披露するってなに」

 「コンサートによばれるって、そういうことです!」DSC_0846

 (―あ、これ何だろう。いやな予感がする)そうして榮門は言った。「ワラビー、私も行くよ」

 「ことねせんぱいも?やった!」はしゃぐ有袋類。

 

 一方そのころ、12階役員応接室では、沖縄タイムスの上原徹常務が若き音楽家らの表敬を受けていた。DSC_0340

 彼らは今月22日午後3時から、南城市文化センターシュガーホール(外間勝利館長)で開かれる「第22回おきでんシュガーホール新人演奏会」(主催・同市、沖縄電力、沖縄タイムス社)に出演するメンバー。3月のオーディションで選抜され、これからそのキャリアを世界へ羽ばたかせていく新鋭たちだ。

DSC_0365

 そのオーディションでグランプリに輝いたのは篠原拓也さん(オーボエ、千葉県出身、東京音楽大学卒)。シュガーホールは「オーボエには理想の大きさと響き」とし、「今回はお客さんが入るので楽しみ。沖縄の人に聞いてもらえるのをうれしく感じる」と語った。 

篠原拓也さん

篠原拓也さん

 優秀賞は照屋篤紀さん(テノール、沖縄市出身、武蔵野音楽大学大学院修了)。沖縄で歌うのは3年ぶりで「すごい楽しみ。中学の同級生もみんな呼んだ」と気合が入る。 

照屋篤紀さん

照屋篤紀さん

 新設された沖縄賞を受賞した平良史子さん(アルト・サクソフォン、宮古島市出身、昭和音楽大学短期大学部卒)は「地元宮古島の曲を吹けるのが楽しみ」。同島の人は誰もが口ずさめる「なり山アヤグ」が本番でどうアレンジされるのか。

平良史子さん

平良史子さん

 「シュガーホールは多くの先輩が出場した夢の舞台」という入選の砂辺絢斗さん(ピアノ、読谷村出身、沖縄県立芸術大学卒)。「そんな舞台で弾かせてもらえてうれしい」と喜ぶ。

砂辺絢斗さん

砂辺絢斗さん

  若きスターたちの祭典となる22日は、フルーティストの渡久地圭さんがコンサートガイドを務め、4人を含む8人が出演。それぞれが情熱あふれる響きを届けることに加え、シュガーホール誕生以来の同演奏会では初となる、出演者全員によるアンサンブル・フィナーレで幕を閉じるという。新鋭たちの音楽がどう融合するのか。聴き所は多そうだ。

 

 さて、そんな音楽家4人によるランチタイムミニコンサートの時間が迫ってきた。タイムスビル1階ロビーにはすでに人が集まり始めている。

 「今日はワラビーの音楽を、きかせます!」 意気込みで前のめりになりながらワラビー登場。手には毎度演奏者に見てもらえない空振りタクトを持っている。DSC_0385

 「お呼ばれされたからって、変なことしたらダメだからねワラビー(ワラビーの音楽はお呼ばれされていないのだから…)」 本音を飲み込む榮門。

 だが、そこで足を止めたワラビー。「ハッ!今日は指きじゃなかった…ことねせんぱい、これもってて!」 榮門へタクトを手渡した。DSC_0392

 「あれ、いいの?」

 「ハイ!」

 

 ―数分後、なぜかハンガーラックを運びながら、ガラガラ再登場した有袋類。「新しい音楽の、おひろめです!」DSC_0397

 

 「ことねせんぱい、『ワラビーハンガー音楽たい』だよ!」

 「どういうこと?なんでハンガー?」戸惑う榮門。DSC_0425

 「ハリガネやプラスチック…ハンガーのそ材のちがいで音もちがいます!これを生かして、ハープのようにメロディをかなでます!」 ほこらしげな有袋類。

 「…えっ、独りなのに音楽隊なの?」 

 すると、上原常務が割って入ってきた。「おいワラビー。みっともないことはするな」DSC_0415

 「えっ?今日はワラビーハンガー音楽たいのデビューです!」

 常務は否定した。「違う。ハンガーに洗濯バサミが付けっぱなしでみっともないだろ。ほら取れ」DSC_0419

 「ハッ!たしかにみっともない…!上原じょうむ、ありがとう!」

 「…そこ共感する!?」思わずツッコむ榮門。

 

 ―やがて時刻は正午となり、いよいよミニコンサートが始まった。

所在なさげな洗濯バサミたち

所在なさげな洗濯バサミたち

 まずはアルトサックス平良さん、ピアノ砂辺さんによるエルガー「愛の挨拶(あいさつ)」がオープニングを飾る。美しいピアノの音をバックに、情感たっぷりのサックスがロビーから久茂地の街へ響いていった。何て優雅なランチタイム。DSC_0482

 

 「きれいな音色です!」拍手しながらしゃがみー、DSC_0626

  ―そして立ち上がるワラビー。

  かたわらの榮門が尋ねる。「何してんの」DSC_0629

 「心がうごいたとき、立ち上がって手をたたきます!」

 「ああ、スタンディングオベーション?」 独特すぎるだろ。 

 

 続く照屋さんはテノールで「てぃんさぐぬ花」を披露。豊かな歌声は伸びに伸び、「いつものロビー」がにわかにコンサートホール化したようだ。DSC_0522

 オーボエの藤原さんは同楽器のミニ講座も実施。口にくわえ息を吹き込む部分「リード」は奏者自身が木を削って作るという。「練習時間よりもリードを削っている時間の方が長いです」と笑わせた。DSC_0551

 その後、Kiroroの「未来へ」を、優しい音色できっちりと聴かせてくれた。DSC_0569

 惜しみない拍手を送るワラビーといきものがかり。榮門が口を開いた。「ぜいたくで素敵な時間だね、ワラビー」

 「ホウ…ホントです!」感嘆する有袋類。DSC_0534

 

 すると場内に、「次が最後の曲目です」のアナウンスが。

 ラストは4人全員で「花は咲く」を披露した。一つ一つの音が、声が、重なり合っていくワクワク感。DSC_0583

 ロビーの観客もひととき酔いしれる。DSC_0592

 ―その中で唯一、焦りだすワラビー。(これがさい後ってことは、ワラビーの出ばんがないってことです!)

 急いでハンガーラックに駆け寄った。「ワラビーハンガー音楽たいも、さん加するよ!」DSC_0602

 そう言うと、音楽に合わせ、ハンガーをつまびきだす有袋類。…ロビーに、ご家庭でもすぐ出せるカチャカチャ音が響きだした。「たのしい!」DSC_0599

 「ちょっとワラビー、なにやってるの!」慌てて榮門が止めに入った。「新人音楽家の演奏中なんだから、静かに聴いて!」DSC_0607

 「あっ…ことねせんぱい、ワラビーが『ワラビーハンガー音楽たい』を演そうするのをとめないで!」 楽器名だったんかそれ

 

 ―そんなことをしているうちにコンサートも終わり。

 「…でも、村井せんぱいなら一しょにひいてくれたかも!」

 「村井さんはもういないの。今は私がいきものがかりなんだから。ワラビーを『ちゃんとしたワラビー』にする、責任があるんだからね」DSC_0611 (2)

 「ハイ、でも…」

 そんな反省会中の一匹と一人のもとへ、歩み寄る4人分の人影と足音が。DSC_0648

 「ちょっとワラビー、演奏中にハンガーなんか、いじりだすのはやめてほしいな」「集中力が途切れるんだよ」「目立つからね」とがめるような強い口調が近づいてくる。

 篠原・照屋・平良・砂辺「いいかげんにしてよワラビー!」

 ワラ「キャッ!」DSC_0664

 

 さらに、振り向いたワラビーが見たものは―。

 ワラ「ハッ!…音がはんぶん、上がってます!」

 

音楽家の怒り

 顔文字(`Д´#) か。

 

 一方の榮門も―。

 「ほら、一緒に謝ろうワラビー」記者の怒り

 ―まさかの♭(フラット)かよ

 

 榮門「演奏の邪魔をしてすいませんでした」

 ワラ「すいませんでした」 DSC_0674

 一同「気をつけてね」「純粋に音楽を楽しみたい人がくる場だから」

 ワラ「ハイ、人の演そうは、しずかにきくよ!」

 ワラビーが素直に謝ったことで、すぐに仲直りできた一同。DSC_0688

 ワラ「みんなありがとう!22日の本ばんはすてきな音をきかせてね!」

 

 それはさておき、音楽家は怒りも音楽で表現するのか。さすがパフォーマー。そんなことを感じたワラビーブログスタッフであった―。

 

 ~ワラビーからお知らせ~

 第22回おきでんシュガーホール新人演奏会は5月22日(日)午後3時から、南城市文化センターシュガーホールで開かれます!

 ワラビーと仲良くしてくれた4人を含め、いずれ世界で活躍する新進の音楽家8人が、フレッシュで情熱あふれる演奏をしてくれるはずです!

 みんなで聴きにきてね!待ってます!DSC_0633

 

 パンフレットも参考にしてね!

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