カラベジの花を八重に咲かせてワラビー(前編)
まるごと八重瀬 観光・物産と芸能フェア 編
沖縄タイムス社ふるさと元気応援企画「まるごと八重瀬 観光・物産と芸能フェア」(主催・同実行委、沖縄タイムス社)が24日、那覇市久茂地のタイムスビルで始まった。26日まで。
―しかもテープカットならぬ、まさかのウージ(サトウキビ)カットで。
八重瀬町は那覇市の中心部から南へ約5キロに位置。町の南には町名の由来となった八重瀬岳(標高163メートル)がある。本島南部らしいサトウキビ畑が広がる中に集落が点在する、のどかなイメージのまちだ。
そんな同町は豊かな土壌に恵まれ、ピーマンやオクラ、マンゴーや小菊などの農業が盛ん。近年は国道507号が拡張されたことで交通の便が向上し、都市化も進んでいる。
会場には玄米みそや果実ジャム、町産野菜のパイなど特産品のほか、焼き物や木工品も出店。飲食ブースにはトビウオ(あご)だし焼きそばやあご麺を使ったお好み焼きなど珍しい品も並び、会場は朝からにぎわいを見せた。
さて、そんな八重瀬フェアをレポートするのは―、
「ワラビーのすむ大とかい・なはが、琉きゅう村のようになりました!まるごと琉きゅう村フェアです!」 それは琉球村でやるだろ。
「ひさしぶりの物さんてん…はりきってレポートしなきゃ!」 だが、そこで腹をさすりだした有袋類。「はりきるとおなかが空くのが、玉にきずのワラビーです!」 さらに、腹をポンポンと叩きだした。「おなかに何も入れていないと、ポンポンと、いい音がなります!『ワラビーハンガー音がくたい』のアレンジに活ようしよう…」
すると、調子に乗ってポンポン腹をたたくワラビーを背後から見守る「何か」がいる。
「何か」はさらにワラビーに近づき、話しかけてきた。「…その音、締め太鼓なの?」
「…ハッ!『シーサーに食べられかけている人』です!大じょうぶ!?」
「ちがうよワラビー!シーサーの精霊、シーちゃんだよ!」
「シーちゃん?…どこかで会ったにちがいない…!」
「去年のワラビーまつりの時に、遊びに来たよ!」
いなせで八重瀬な踊れる獅子 シーちゃん(シーサーの精)
「ああ、ペーちゃんです!ひさしぶり!」握手を求める有袋類。
「何でさっき言えてたのに今言えないの?ぺーちんじゃないよ、シーちゃんだよ!」
「ぺーちんもシーサーだから、まちがえました!」
「シーちゃんはエイサーの太鼓の音が聞こえた気がして、来たんだよ!エイサーと棒術が大好きなんだ!」
「今の音はワラビーの七つある体内がっきの一つ…はらダイコです!」 必殺技みたく言うな。
「ハッ!こうしてる場あいじゃなかった…。ワラビーはやえせフェアを、レポートしなきゃ!」
「八重瀬には、まだまだ知られていない、いい所がいっぱいだよワラビー!楽しんでね!」
「ハイ!」
シーちゃんに送り出されたワラビーはまず、自家製ピザのアリスサロンさんの移動販売車「カラベジ号」の前へやって来た。
「にじのようにきれいな車です!」声を弾ませるワラビー。
ちなみに八重瀬町では2009年より、ピーマンや紅芋、オクラ、マンゴー、ドラゴンフルーツなど町産の色鮮やかな野菜(カラフルベジタブル=カラベジ)を活用した特産品開発や、イベントなど生産者―消費者間の接点づくりに取り組んでいる。「カラベジ」ブランドで町のイメージアップと地域経済の活性化を目指しているのだ。
今回のフェアではカラベジチキンカレーやマルゲリータ(各600円)、変わり種の「チーカマミソドッグ」(400円)などを販売している。
「カレーとミソドッグ…どちらも色あざやか!やえせフェアの4Kテレビ賞に認ていします!」 例えヘタだし権限ないし。
店長の上地カツキさんが説明してくれた。「ピーマンやハンダマなど町産野菜をなるべく使うようにして、色合いや見た目を考えて盛り付けているよ。カレーもチキンスープでしっかりだしを取ったおいしさだよ」
「見た目も中身も充じつ…まさしく、一石二ちょうです!」 違うだろ。
続いて、こちらは2015年の町グルメグランプリで、「牛串カツ」で1位を獲得したNIKUYAさんのブース。町産の黒毛和牛を使ったメニューを提供している。
「ガッツリいっときますか?」 その声にうなずくと、ふたが閉まらないほどの具を盛られる焼肉丼(600円)。ばら肉ともも肉が両方入り、たっぷりの野菜で栄養と食べごたえがいずれも満点だ。
そして、「肉わく泉」、「食べても食べても牛肉が減らない」ほどの量を誇る牛汁(800円)は、来場者の胃袋をMAXまで満たしていた。
「おいしい!お肉はほろほろ、おつゆもしっかり味ですすみます!ワラビーは気づいてしまった…牛汁は飲みものです!」 そりゃそうだ。
NIKUYAの新里哲志さんが相手をしてくれた。「サトウキビに囲まれたうちの農場は、静かで風通しもいい。そんなふうに牛がゆったりできる環境だから、いい肉を作れると思うんだ」
「環きょうは、大事です!タイムスビルではたらく人も、もっとゆったりすれば、いい仕事ができるかもしれません!」 自身の発言で自身を否定する有袋類。
町の魚「トビウオ(あご)」のだしを使った食事メニューを味わえるのが「なかのや」さん。仲地康英代表がへらを返すたび、辺りに香ばしいにおいと湯気が立ち込めた。
あごだしを麺に練りこんだ焼きそば(500円)、その焼きそばを使用したお好み焼き(同)、あごだしを生地に使用したたこ焼き(400円)と、トビウオざんまい。
ソースが香ばしい「鉄板×粉モノ」の「魔力」をあごだしのうまみが増幅させる魅惑の品々となっている。
鉄板に腕を伸ばしたワラビー。「しょくレポです!」
「いぶくろが、たべたがってるんだ!」 何だそれは。
「食べていいよ」 仲地代表が許可してくれた。
焼きそばをほおばった有袋類。「おいしい!メンだけでもいける…イケメンです!」
さらに、あごだしの粉末を見せてもらったワラビー。町の港川漁協ではこの粉末だしを使ったメニューを研究しているのだ。
「これがうまみの秘みつ、AGONOMOTOですか…!」 グルタミン酸かよ。
飲食スペースのトリを飾るのは「港川パヤオ鮮魚店」の、セーイカのミミ揚げ「いちゃいちゃ」(500円)。硬いミミを「企業秘密」で柔らかくして揚げるという、地域の大人気商品だ。
店長の仲与志昌亮さんが、試食を勧めてくれた。「食べてみてワラビー」
「おはしを手に入れたので、ししょくがはかどります!鬼に金ぼう、ワラビーに木のぼう…」 最低の装備か。
「コショウでピリリとしています!いいかんじのかみごたえで、おやつにぴったりです!」 ようやく、それっぽい食レポができるようになってきた有袋類。
「うんうん。おいしいかい?それ持っていっていいよ」
「冗談だよ。返してワラビー」
「…………」
「…………」
「………分かったよしょうがない。あげるよワラビー」
「やった!仲よし店ちょう、ありがとう!」 私たちは「ゴネ得」を目撃した。
はしと「いちゃいちゃ」を手に入れて上機嫌な有袋類。
「やえせフェアはししょくがいっぱいで楽しい!このままタイムスビルの中へ、とつ入です!」
いつしか「歩く食欲」と化したワラビー。はしの向く方向へ突き進むのみであったー。
「カラベジの花を八重に咲かせてワラビー(後編)」へ続く。シーちゃんもワラビーの上司も再登場!25日更新です!
~ワラビーよりお知らせ~
八重瀬フェアは26日(日)まで、那覇市久茂地のタイムスビルでやってます!
25日(土)は10時~19時、
26日(日)は10時~18時です!
毎回大好評の芸能公演は3階タイムスホール!
今回はやえせの芸能公演「豊年-HOU NEN-」として、25日と26日、どちらも午後2時半開場、午後3時開演します!入場料は1500円(500円クーポン付)です!
演目は以下の通りです!
○6月25日(土)
〔祈 り〕かぎやで風、稲まじん、前の浜、稲しり節、友寄の獅子舞
〔くらし〕字ぐしちゃん汗水節、水汲まー小、櫂の踊り、新城のシーヤーマー
〔賑わい〕村遊び、青年エイサー、八重瀬賛歌
○6月26日(日)
〔祈 り〕安里のウフデーク、島の情唄
〔祭 り〕やえせの棒術~棒巻・組棒~、玻名城の弥勒打花鼓、玻名城の獅子舞
〔賑わい〕世名城の綱引き歌・前棒、志多伯の汗水節、青年エイサー、八重瀬賛歌
八重瀬の魅力に触れて、おいしい特産物でおなかもいっぱいにしてね!待ってます!
ワラビーの食レポ♪
元気で楽しいくてイイですね。