村井せんぱいが入籍するってよワラビー
初代いきものがかり結婚 編
1月21日、大安吉日―。
この日は土曜日。いつもより人が少ない沖縄タイムス社内をてくてく歩く有袋類の姿があった。
「♪ララッラ~ランドセルは~♪」「天使のはね」的な歌を歌っている。「♪ルルッル~ルージュでつたえて~♪」 ユーミンか。
するとそこに、休日出勤している読者局販売部・宮城一彰の姿が。
「…宮城せんぱいです!宮城せんぱい、ワラビーとあそぼう?だめならかまって!」
「何だその都合がいい二択は」ワラビーと絡む時はデフォルトで困り顔の宮城。
「ワラビーポーカーとバランスボーリング、どっちであそぶ?」
「今仕事中なんだ。ほらこれやるから」宮城がチョコレート菓子を差し出した。
「やった!ありがとうアポロせんぱい!」
「アポロせんぱい?」
「ノリです!」
「ノリかよ」 そこで、しばらく考え込む宮城。「…しょうがないなワラビー、あと30分待てば遊んでやるから―」
「…って去るのはえー!現金すぎるだろ!」
「こういう所には、おかしがねむっています!ワラビーがおこしてあげます!」
そんなふうに社内から採集してきた「戦利品」をテーブルに広げる有袋類。「ウフフ…大漁です!」
「たけのこの山…ちがった、里…きみに決めた!」 噛んだくせにドヤ顔か。
「もぐもぐタイム」も終わり、ブラインド越しに外を見るワラビー。「天気もよくなってきたし、大と会・なはをさんぽしよう…」
―そんなこんなで那覇市役所までやってきたワラビー。
「さすが、なは…シーサーもれき史がありそうです!」
ちょうどその頃、楽しそうに談笑しながら那覇市役所を目指すカップルがいた―。
カップルは市役所前で歩みを止めると、それぞれ感慨深げに庁舎を見上げた。「いよいよだね」「うん」
一方、こちらも市役所前で眠たげな眼を見開く有袋類。「ハッ!あれは…!」
「村井せんぱいです!」言うやいなや、男性に飛びつく有袋類。「ひさしぶりです!」
―そう、男性の名は村井規儀(のりよし)。沖縄タイムス編集局政経部主任である。このブログでは2014年7月の辞令交付式から16年3月末の卒業まで1年9か月の間、初代「ワラビー担当いきものがかり」を務めていたのだ。
ワラビーブログ界の本郷猛 初代いきものがかり 村井規儀
「ワラビーは大と会・なはをブラワラビーしていました!」ワラビーはかたわらの女性に目を留めた。「村井せんぱい、そのおねえさんはだれ…?」
「ああ。こちらは僕の婚約者のチヒロさんだよ。僕らきょう、入籍するんだ」
「ええー!入せき!…ってなに?」雰囲気でリアクションする有袋類。
「知らないのか。入籍ってのはつまり…僕ら、結婚して夫婦になるんだよ。この婚姻届けを市役所に出してね」書類を示す村井。
「お役しょふうふです!」
「お役所仕事みたいに言うな!全員そうするんだよ!」
「でも村井せんぱい、やった!」祝福する有袋類。「結こんおめでだよ!ワラビーも、ワラビーのことのようにうれしい!」
「ありがとうワラビー。僕も自分のことのようにうれしいよ」 そりゃそうだ。
「このトサカがキュートだよねワラビー」チヒロさんがいじり出した。「かわいい」
鼻を触られながら有袋類。「ファ…フ…村井せんぱい、ワラビーも一しょに行って、結こんのしゅん間に立ちあいます!」
村井がかぶりを振る。「だめだよワラビー。チヒロさんは顔出しNGなんだ。何たって一般人だしね」 お前もな。
「ワラビーにいい考えがあります!」そう言うとスケッチブックを取り出した。「ここにチヒロさんの、にがお絵をかきます」
村井・チヒロ「…似顔絵?」
「村井せんぱい、ちょっともってて!」紙の上にペンをすべらせ始めるワラビー。
―しばらくして。
(さっきから何やってるニャー)
村井が感心する。「なるほど、これなら顔は出ないね。大城さとし先生方式だ」
「ワラビーありがとう!記念にするね」 喜んでくれる、優しいチヒロさん。
「チーちゃんだけお面なのもアレだから、僕も私物の『パグ面』を出そうかな」村井も愛犬のお面を取り出した。「ほらかわいい!」
「何その私物」 チヒロさんがつっこむ。
「こんなこともあろうかと思ってね」 どんなことを想定してたよ。
「二人でお面をかぶると、『村井とチヒロのかおがくれ』です!」 何だそりゃ。 「じゃあワラビーも、このネコちゃんのお面をかぶる…!」
村井が指摘した。「そんなこと言ってもワラビー、全然顔隠れてないじゃん!」
「ハッ!…去年より、かおがワンサイズふえた…ショックです!」
「ワンサイズどころの話じゃないだろ」
―気を取り直して、2人と1匹は婚姻届けの提出へ向かうことに。「レッツゴー!」
―いよいよ時間外受付の前に到着。
ワラ「ドキドキ…村井せんぱいの、クライマックスです!」
村井「人生のピークみたいに言うな!これから二人で幸せになるの!」
市役所の職員が婚姻届の記載事項を確認し、運転免許証などの身分証明書でそれぞれの本人確認をおこなう。
後ろで二人の背中を見守りながら、ワラビーは思った。
市役所の職員が言った。「確かに受け付けました。おめでとうございます」
(…あたらしい「かぞく」ができたに、ちがいない!)胸がいっぱいになった有袋類。(村井せんぱい、おめでだよ!)
すると、チヒロさんが大きな声を出した。「『村井チヒロ』になったぞー!」
その場で、2人と1匹はハイタッチを繰り返す。「イエーイ!」「イエーイ!」
チヒロさんがつぶやいた。「ていうか私、なんか鼻血出そう。興奮して」
「どうしたの?」
「…パグのお面かぶるの、忘れてた!」 どうでもいいよ。
市役所を後にしようとすると、ワラビーがふと尋ねた。「村井せんぱい、チヒロさん、結こんゆびわはないの?」
「そうなんだよワラビー。大安で日取りが良かったから入籍を先にしたけど、指輪はまだなんだ」
「そうですか…ハッ!」再び、何かを思いついた有袋類。「ワラビーがあつめたおかしの中に…」
「どうしたんだよ?」けげんな顔をする村井。
「ありました!マーブルチョコです!」
「この『8』を、半分から切ると…できました!指わです!」ドヤ顔の有袋類再び。
「なるほどねえ」
「ワラビーすごい!」感心するチヒロさん。
「チーちゃん、幾久しくよろしくね」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします!」薬指にマーブルチョコの指輪。声をはずませるチヒロさん。
「村井せんぱい、チヒロさん、いつまでも仲よくしあわせにね!アーメンだよ!」喜ぶ有袋類。
例えマーブルチョコの指輪でも今はいいじゃない。また愛を誓う口実にできるのだから。ワラビーとともに二人の幸せを願う、ワラビーブログスタッフだった―。
村井夫妻、本当におめでとうございます!お幸せに!
~おまけ・ワラビーがちゃんと「アーメン」に至るまで~
ワラ「村井せんぱいとチヒロさんが指わの交かんをします。ワラビーはシンプソンをします!」
村井「そりゃ神父さんだろ」
ワラ「チヒロさんのこと?」
村井「そりゃ新婦さんだろ!ワラビーが言ってるのは神さまの父で神父」
ワラ「神さまのお父さんは、神さまに何て言うの?オーマイゴッド?」
村井「ちょっと言いそうだけど違うだろ。『二人がいつまでも仲むつまじくありますように、アーメン』とか言うんだろ」
村井「祈りの後に唱える言葉で、『そうなりますように』というお願いを込めているよ」
―そして本番。
ワラ「村井せんぱいとチヒロさんが、いつまでも仲よくいられますように…」
村井「よろしく」
チヒロ「よろしくね」
村井「いやラーメンて!ベタすぎるだろ!そしてさっきちゃんと言えてただろ『アーメン』!『アーメン』だから!」
ワラ「わかりました…」
―やり直し。
ワラ「村井せんぱいとチヒロさんが、いつまでも仲よくいられますように…」
村井「よろしく」
ワラ「アーメンアーメン」
村井「アーメンアー…いやうまくスルーできないよ!何でアーメン2回言ったの?」
村井「言ったけど、あれは勢いだから!『ダーリンダーリン』みたいになった!矢井田!」
ワラ「…やいだ?」
村井「とりあえず、アーメンは1回でいいからワラビー」
ワラ「わかりました!」
―やり直し2回目。
ワラ「村井せんぱいとチヒロさんが、いつまでも仲よくいられますように…」
村井「よろしく」
チヒロ「よろしくね」
村井「いやビーフン遠いな!共通点、字面と麺類だけだし!もういいよ!」
…というわけで、次回更新も気長にお待ち頂ければ幸いです!2017年もワラビーブログをよろしくお願いします!(きろくがかり)
ぼくも準優勝から一年…就職もちゃんと決まりましたよ。
宮城せんぱいの前座から、村井せんぱい結婚話。この話、じつは宮城せんぱいへのエールなのでは?笑
ワラビー、半年ぶりです!
元気そうでなによりです。
村井さん、チヒロさん、おめでとうございます。
マーブルチョコの指輪交換にほんわかした気持ちになりましたよ。
旧正月にめでたい話題です!
村井せんぱい、おめでとうございます~✨
久しぶりのワラビー、カワイイですね~♪
次回も、楽しみです~✨