おめでとう新小学いちねんせい　編

　春はすぐそこ。桜が葉桜に変わりゆくこの時季の風物詩といえば、新小学１年生と家族のつどい「ご入学おめでとう大会」だ。

　沖縄タイムス社主催。毎年新１年生と保護者を迎え、学校生活についてのお話や交通安全指導、テレビアニメ「ドラえもん」の上映などを行う―はずだったが、2022年は新型コロナウイルスの影響で昨年に引き続き、開催は見送られた。

　せめて紙面で新１年生を祝おうと、沖縄タイムス営業局は「おめでとう新１ねんせい」特集を企画。日曜子ども新聞「ワラビー」で、新1年生から「１ねんせいになったらがんばりたいこと」を募集し―。

　ー多数の応募を頂いた。その「がんばりたいこと」が、きょう３月５日の沖縄タイムス紙面で花開いている。

　ともだちをつくる、漢字をがんばる、元気にあいさつするー。まぶしい希望やワクワク感に満ちていて、みなほほえましい。

　スペースの都合で掲載できなかったものも含めて多数の応募に感謝し、このほど、ワラビーからの「おへんじ」として新1年生にエールを送るユーチューブ動画を制作することになった。

 

　―そんなこんなで２月某日、タイムスビル12階の役員応接室で撮影は決行された。

　壁も営業局社員により、かわいらしくデコレーションされている。

　「みんな、元気かな？ワラビーのお世話をする『いきものがかり』の金城実夢（みゆ）だよ～」

　「うたのお姉さん」的にはつらつとした声を出しているのは3代目ワラビー担当社員「いきものがかり」の金城実夢（営業局企画事業部）。なかなか堂に入っている。

　…そして、こちらはおなじみ久茂地の有袋類（ゆうたいるい）。

　「みんな、ワラビーだよ！手をふる！入学、おめでだよ！愛きょうをふりまく！」

　「え、ちょっと待って」金城が戸惑った。「ワラビー先輩、カンペ読んでません？」

　「だってカメラのとなりの紙に、手をふる、とか、愛きょうをふりまく、とか、書いてるよ！」

　「あれがカンペで、書かれている動作をするんですよ。口に出しちゃだめ」

　「『おやつをたべる』と『こづかいもらう』を待っていたのに…」

　「出ませんよそんなの」金城が注意を促した。「ほらワラビー先輩、撮影スタッフの先輩たちの空気が悪くなってきましたよ」

　「ここでワラビーからひとこと。空気よまずに、カンペよむ…」　最悪だな。

 

　「ワラビーと実夢、ミスはしょうがないけど、時間も押してるし、リカバリー早くな。もう1回行こう」　ディレクターを務める企画事業部の嘉数正悟が声を掛けた。

　「なかなかいいよ。声も出てる」　カメラを担当しているのは営業部の比屋根真澄だ。「できるだけゆっくりめにしゃべって」

　

　動画では金城が、新１年生が応募してくれた「がんばりたいこと」をフリップでどんどん紹介していく。

　「テストで100点を取りたいです！」

　「100てん！すごいです！」

　「なわとびの二重とびができるようになりたい！」

　「にじゅうとび…さすがです！」　雰囲気でリアクションする有袋類。

　ここで金城がワラビーに振る流れ。「ワラビーは何かがんばりたいことある？」

　「えっと、えっと…」頭を悩ませる有袋類。「…そうだ！テストで20点を取ります！」　パクるし混ざるし赤点だし。

 

　「ちょっと休もうか。集中力切れかけてる」　嘉数の合図で休憩に入る大人たち。3分間の動画だが、ここまで撮影に1時間半かかっている。

　「いやあ、実夢もタイムス入ってユーチューバーになるとは思わなかっただろ」

　「まあ、でも…入社１年目の新人なので、何でも経験です！」

　「これがホントの、ミユーチューバー、なんちゃって！」

　「ハハハ」「ハハハハ」　味がある会話を繰り広げる大人たち。

　「…ハッ」それを見ていたワラビーは、何かを思いついたようだ。

　（これに書いて…）　カンペ用の小さなホワイトボードに何やら書き込み、

　（ここに入れます！）フリップの間にはさみ込んだ。

 

　―そして、撮影は再開。

　「黄色い旗のおじさんに元気よくあいさつする！」

　「ワラビーにもあいさつしてね！」

　そうして、フリップをめくろうとした金城は、ホワイトボードに気付いた。「あれっ」

　「これって…」思わず笑みがこぼれる金城。

　【みゆさん、社会人２年生もがんばって！　ワラビー】

　「あたらしい小学1年生もおめでだけど、みゆさんの社会人１年生もおめでだよ！4月からの2年生もがんばって！」

　「ワラビー先輩…ありがとうございます！―ふふ。変な会社ですねタイムスって」

　「へんかな…あと、こどもなので、せんぱいじゃないよ！」

　「変だけど、いやな変ではないです。いい意味で、変です。2年生も頑張ります！」

　「みゆさんが、進級します！」　盛り上がる有袋類。

 

　「…お前ら、盛り上がってるとこ悪いけどさ」

　「撮影、押してるんだよな」

　「遅延行為はダメ！メッ！」　ついに機嫌を損ねた大人たちがにじりよってきた。

　「いたずらばかりして！」嘉数からワラビーに愛のげんこつが飛んだ。コツン！

　「キャッ！ごめんなさい！」悲鳴を上げる有袋類。

　―そんな光景を眺めながら金城は思った。（ふふふ。やっぱ、変な会社だなー）　

 

　なんだかんだ、コンビとして初仕事をこなしたワラビーといきものがかり・金城実夢。3月末にはいよいよ沖縄タイムスを飛び出して、あの大型商業施設に登場？　今後の1匹と1人の活躍にご期待ください！

 

　そして完成した動画はこちら↓です！子どもも大人もチェックしてください！

 

～ワラビーからお知らせ～

　3月5日の沖縄タイムス「おめでとういちねんせい」紙面では「ご入学祝いプレゼントキャンペーン」も開催中！締め切りは３月18日です！タイムスを読んで応募してください！

 

　（コンビで「ワラビー」宣伝中）

　読み仮名があってニュースが読みやすい！楽しい写真、イラスト、マンガも載っています！子どもも大人もめくるワクワク、日曜子ども新聞「ワラビー」もよろしくね！

　「新聞は、ジンブンにかわります！」