ひらめきで明日(あす)を照らすんだワラビー(前編)
ふっきなぞとき50年50問(フィフティー・フィフティー) 編
今年1月9日から、沖縄タイムス日曜こども新聞「ワラビー」で連載している「ふっきなぞとき50年50問(フィフティー・フィフティー)」。
沖縄の日本復帰50年にちなみ、復帰や沖縄についての謎解き問題を毎週1問ずつ出題している。1年間で50問出題する。
謎解きには、問題に隠されたルールや法則を見つけ、直感的に答えを導き出す力が求められる。うまくひらめいて、正解した時の達成感を味わってほしい。
問題を作っているタイムス社員は「挑戦してくれた人の3割が正解すればいいくらいの難易度を目指している」という。「大人は知識で解こうとするけど、案外子どものほうが先にひらめいたりする。解けた人には周りに自慢してほしい」と望んでいる。
ちなみに第1問の答えはこちら。みなさんは解けただろうか。
そんな「ふっきなぞとき」がリアルで楽しめるのが、豊見城市にある大型商業施設「イーアス沖縄豊崎」だ。
こども新聞「ワラビー」とコラボし、同じく1月から参加無料のクイズイベント「ふっきなぞときたんけん」を開催している。謎解きをしたり、ヒントを集めたりしながら店内を回り、正解数に応じてお菓子のプレゼントもある。2階インフォメーション付近で参加できる。
ワラビーだと翌週まで解答を待つ必要があるが、イーアスはリアルイベントなのでその場で正解が分かるのもうれしい。問題を更新しながら今年いっぱい続ける予定だ。
さて、沖縄県に発令されていた新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置も解除され、県民が一息ついたタイミングの3月27日、「ふっきなぞとき」をPRするリアルイベントがイーアスで開催された。
まずは大道芸人のつばささんがジャグリングの妙技で会場を温めた。
オープニングトークをになうのはこの2人。イーアスの植平千裕さん(左)と、沖縄タイムスのワラビー担当社員「いきものがかり」の金城実夢(みゆ・営業局企画事業部)だ。原稿の読み合わせに余念が無い。
一方、久しぶりに人前に出る機会に、はりきるワラビー。控え室代わりのテントから姿を現した。「出ばんは、まだですか?」
「ワラビー先輩、まだですよ」 金城が答えた。
「そうですか…」
しばらくして。
「…まだですか?」
「1分おきに出てくるね」植平さんが指摘した。
「ハト時計みたい」あきれる金城。
「クルックー…」ハトで失望感を表現する有袋類。
中にいてもそわそわするので外で待つことにしたらしい。
「こんにちは、ワラビーだよ!なぞ、といてってね!」
そこに後ろから近づく不穏な影がふたつ。
「キャッ!恐りゅうです!…かっこいい!」
現れた2体は、イーアス4階にある「DINOSAUR BBQ&PARK 沖縄」の恐竜たち。動く恐竜や乗り物、プール、フォトジェニックなカフェなどを備え、「一日遊べる新感覚のBBQスポット」をうたっている。
「ワラビーも遊びに来てね」名刺代わりにチラシを配る恐竜。
「恐りゅうさん、よろしく…あっ、ワラビーのトサカに歯が当たっていたいです!」 構造上のミスマッチが出た鳥盤(ちょうばん)類と有袋類。
さらに、県民にはおなじみ、イーアス1階にも店舗があるファストフード・A&Wからは「グレート・ルートベアー」も参加。この日は計4匹で店内を練り歩くのだ。
「がんばるよ!」
さて、いよいよオープニング。
植平さんが口火を切った。「沖縄のあの人気マスコットが遊びに来てくれましたよ!沖縄タイムスのワラビーです!」
神(かみ)曲「ワ・ワ・ワ・ワラビ-」の歌とともに、ワラビーが登場した。「ワラビーだ!」「ワラビー!」会場の子どもたちから、拍手と歓声が上がった。
「こんにちは、ワラビーだよ!好きななぞなぞは『パンはパンでも食べられないパンは?』」 ベタだな。
「ワラビー、答えは何かな?」金城がたずねた。
「正かいは『おなかパンパン』です!」 何それ。
植平さんが続ける。「ワラビー、今日はどうしてイーアスに来てくれたの?」
「『ふっきなぞとき』をPRしにきました!えっとえっと…」
「私から説明しますね」金城が引き取った。「今年の5月15日は、沖縄が日本復帰して50年を迎える記念日なんです!なぞときや展示パネルを通して、みんなにも復帰50年を盛り上げてほしいですね!」
会場には1972年5月15日、復帰当日の沖縄タイムス紙面に加え、
イーアスがあり、ことし市制20周年を迎えた豊見城市の復帰前後の写真や、埋め立て前の豊崎地区の写真も合わせて展示され、多くの人が足を止めて見入っていた。
壇上では、なぞときの説明が終わった。金城がアナウンスする。「難しいところもあるけど、イーアスの中にヒントが隠れているから、頑張って挑戦してみてください!」
ワラビーもエールを送った。「感せん症対さくにも気をつけて、なぞときを楽しんでね!イーアスのお店も楽しみながら、すてきな思い出をつくって!」
そこからワラビー、ルートベアー、恐竜は店内の練り歩きへ。「行ってきます!」
「ワラビー!」「ワラビー!」 なんだかんだ人気のワラビー。コロナ禍はゆるキャラと子どもたちが触れ合う機会を奪っていたことにも改めて気づかされる。
「『ふっきなぞとき』挑戦してください!」 企画事業部の嘉数正悟もチラシを配りながらイベント参加を呼び掛ける。
金城が声を掛けた。「…ワラビー先輩」
「こどもなので、せんぱいじゃないよ!どうしたの、みゆさん」
「なんか、イベントってやっぱりいいですね。お客さんと直接触れ合えて、たくさんの笑顔も見せてもらって」
「それが、ダンゴ味です!」
「ダンゴ味?みたらし?……ひょっとして、だいご味(み)ですか?」
「それです!」 ハードディスクはいつだって外付けの有袋類。
「きみもなぞに挑せんする…?」 犬にとっては謎すぎる生物だろう。
会場では親子連れを中心に、たくさんの人が謎解きに挑戦してくれた。
「ホホウ…フムフム…ハッ!」
「ワラビー、分かったの?」
「わからないということが、わかりました!」 「無知の知」かよ。
この日出題された問題は3問。
通常の謎解き2問に加え、最後の1問は「ワラビーを探そう」。イーアス内の店舗に隠れている「文字を掲げたワラビー」を4匹見つけ、文字を合わせて1つの言葉をつくる。
「1文字、見つけました!『あ』!」
こどもの目線のほうが、より見つけやすいかもしれない。
なぞときのヒントは協力店舗の店頭に掲示されている。
こちらはブルーシールの新業態「ハグサンド」。
ヒントを集めるため、広い敷地内を歩き回る体力も要求されそうだ。
解答を終えたら、2階のインフォメーションカウンターへ。採点され、正解数に応じてお菓子などのプレゼントがある。ワラビーが登場したこの日は特別に、A&Wさんの協力で、全問正解者にドリンク券がプレゼントされた。
「おめでとうございます!」「ありがとう」
多くの参加者が家族でイーアスをめぐり、わいわい相談しながら頭をひねり、謎を解いてくれた。みなさんにとって充実した一日になってくれたことを願うばかりだ。
最後は記念撮影にも応じ、
無事にイベントを終えたワラビーといきものがかり・金城…
…のはずだった。
「あれ、ワラビー先輩、トサカに何か紙が」
「えっ?」
「これは…」
金城「謎解き!」ワラ「なぞときです!」
ーまさしく謎が謎を呼ぶ? ワラビーといきものがかり・金城実夢が挑戦する新たな謎解きとは?そして最後に待ち受ける、あるメッセージとは?
「ひらめきで明日(あす)を照らすんだワラビー(後編)」に続きます!