ひらめきで明日(あす)を照らすんだワラビー(後編)


ふっきなぞとき50年50問(フィフティー・フィフティー) 編

 前回からの続きです。

 沖縄タイムスの日曜こども新聞「ワラビー」で連載している「ふっきなぞとき50年50問(フィフティー・フィフティー)」。そのリアルイベントが3月27日、豊見城市の大型商業施設「イーアス沖縄豊崎」で開かれた。

 マスコットキャラクターのワラビーと、沖縄タイムスのワラビー担当社員「いきものがかり」の金城実夢(みゆ・営業局企画事業部)も登場。なぞときへの参加や復帰パネル展の観覧、各店舗の利用などを呼び掛けた。

 

 たくさんの親子が頭と体をフルに働かせてくれた、春休みの充実した一日も終わり―。

 「いっぱい来てくれて良かったですね」 しみじみとした疲れの中、金城が振り返る。

 「ハイ!久しぶりに、子どもたちと、あそびました!」

 「ずっとコロナでイベントに出る機会がなかったから。どのくらいぶりですか」

 「えっとえっと…前回ぶりです!」

 「そりゃそうですよ!」 金城がつっこむ。

 「あれ、ワラビー先輩、トサカに何か紙が」

 「えっ?」

 「これは…」

 金城「謎解き!」ワラ「なぞときです!」

 「え、いつの間にトサカに?そして誰がこんなことを?」 戸惑う金城。

 「だれだろう…今日はいろんな人とグータッチしたり写しんをとったりして、思いだせません!」ワラビーも考えあぐねている。「1つめのなぞ、とあるので、なぞをとくことで何か分かるかも!」

 「考えてみましょうか」

 なぞに向きあう1匹と1人。

 「いーちるまいが、んしかばんごし…何のこっちゃです!きっと、ねぼけた人が、打ちまちがえたにちがいない…」 決めつける有袋類。

 「ワラビー先輩、タヌキみたいだから、『た』を抜いて読むとか」

 「ワラビーは、ワラビーです!」 ぷんすかする有袋類。

 「なんか、イラストがめっちゃ笑顔なのがイラッとするけど…あ、でも」

 金城がなにか気づいたようだ。「右端の『がしてね!』は意味が通りそう。『さがして』とか『はがして』とか。そこからさかのぼると…分かった!これ、左端から右方向へ縦読みするんですよ!」

 「みゆさん、さえてます!」喜ぶワラビー。「『サエコ』というあだ名をつけます!」

 「あだ名は遠慮して、読んでみますね。『いんふぉめーしょんのちかくにあるばいきんまんのわらいごえをさがしてね!』…『インフォメーションの近くにあるばいきんまんの笑い声を探してね』…どういうこと?」

 「インフォメーションに、行ってみます!」

 

 ワラビーと金城は通常、なぞときの問題が設置されている場所で、解答用紙の採点もしているイーアス2階のインフォメーションカウンター前を訪れた。

 「いつもはここで、なぞときに挑せんできるよ!」

 金城が辺りを見回し、目ざとく気づいた。「あ、ワラビー先輩、奧に何か落ちているみたい」

 ―そこにはカタカナの「ハ」「ヒ」「フ」「ヘ」「ホ」が散らばっていた。

 さらに、そばの壁には「2つめのなぞ」の貼り紙が。

 ハ~ヒフ~ヘホ~!…なるほど、ばいきんまんの笑いごえです!」

 「青い壁に、ニヘーデービル。これがどういう意味を持つのか…」 カタカナを前に考え込むワラビーと金城。

 「ニヘ―デービルはウチナーグチで『ありがとうございます』ですよね」

 「青いカベの前に、『ありがとう』の気もちをもっていくのかな…」

 「いや、でもこの散らばっているカタカナにきっと意味があるんですよ」

 「ハ、ヒ、フ、ヘ…ヘ、ホ…あれ?」

 「ワラビー先輩?」

 「ハ、ヒ、フ、ヘ、ヘ、ホ…『ヘ』だけ2つあるよ!」

 「ホントだ。何でだろう?2つの『へ』…2『ヘ』…『二ヘ』!!分かった!」 金城がひらめいた。

 「ワラビーも、分かりました!…メガネをかけている人は、かしこそう!」

 「いやこのタイミングで何!?」驚く金城。「違いますよワラビー先輩!よく見ると問題も『ニヘーデービル』じゃなくて『二ヘデービル』って書いてる。持って行くのは『ニヘデービル(2つの『ヘ』ですよ)』ということです!」

 「みゆさ…サエコすごいです!」

 「あだ名忘れちゃってた!」

 

 「2つの『ヘ』は手に入れたけど…」

 「使いみちが、なぞです!」

 「とりあえず、青い壁を探しましょうか」

 「ハイ!」

 

 ワラビーと金城は「青いカベ」を求めて、イーアスのビーチサイドにやってきた。東シナ海や那覇空港を離発着する飛行機が眺められるロケーションに飲食店舗などが並ぶ。豊見城市の「オリオンECO美らSUNビーチ」にも歩道橋からすぐにアクセスできる利便性も持つ。

 「あったよ!」ワラビーが青い壁にはられた「さいごのなぞ」を見つけ出した。

 

 「窓越しにワラビーを見て、平和を願う…」

 「サエコ、どういうこと?」

 「サエコもういいです」ぴしゃりと金城。「でも、ワラビー先輩を向こうに見るような窓なんてどこにも…」

 「……ハッ!」ワラビーがひらめいた。「ワラビーとみゆさんで、まどを作れるよ!」

 「窓を作れる?だって私たちが持ってきたのは2つの『ヘ』くらい…あ!」 金城もひらめいた。

 ワラ・金城「へを2つ合わせて、『窓』にするんだ!」

 

 金城が「窓」越しに、青い壁の前に立つワラビーを見ると―。

 「ワラビー先輩、動かないでくださいね」

 「ハイ!」

 その青と黄色のコントラストが想像させるものは、小麦が豊かに実る黄色い大地の上に広がる青空―

 「分かった!このなぞときの答えは…ウクライナ!」金城が回答した。

 「みゆさんすごい!きっと正かいです!」喜ぶワラビー。

  そこで金城が疑問を口にした。「…でも、誰がなぞときを仕掛けたんでしょうね」

 「それが1ばんの、なぞです!」 うなずく有袋類。

 

 「ハッハッハッハ。おめでとうワラビー、おめでとう実夢。ウクライナ、正解だ

 にわかに黒幕的に現れたのは企画事業部で金城の上司に当たる、嘉数正悟。

 「嘉数さん!?」「どうしたの…?」

 「イベントで頑張ったワラビーと実夢に、実際になぞときで楽しんでもらいたくてね。強いて言えば…遊び心だな」 でしょうね

 「風せんは、どうしたの?」ワラビーが問う。

 「ウクライナカラーも混ぜてふくらませてきたんだ。こうしている間にも世界では戦禍に苦しんでいる人もいることを意識したくて」

 金城も続いた。「平和だからこそ明日の心配をすることなく、イベントもできるし、お客さんの笑顔にも触れられるってことですね」

 ワラビーも言った。「戦そうをやめて平和になるための、世界のなぞときに、ちえをしぼらなきゃ! いい明日(あす)をつくるのは、みんなの気もちです!」

 最後は軽いPRもにおわせながら平和な世界を願うワラビーと、いきものがかり・金城、嘉数、そしてワラビーブログスタッフであったー。

 

 ~ワラビーからお知らせ~

 「ふっきなぞとき50年50問(フィフティー・フィフティー)」は沖縄タイムスのこども新聞「ワラビー」で連載中!

 イーアス沖縄豊崎でもクイズイベント「ふっきなぞときたんけん」として、12月末まで問題を更新しながら実施する予定です。参加は無料。正解数に応じてお菓子などのプレゼントももらえます!

 沖縄の日本復帰50年の節目のことし、ワラビー紙面もリアルイベントも、よろしくお願いします!


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